日本の新婚旅行第一号は、「坂本龍馬とおりょう」だといわれている。京都・伏見の寺田屋騒動で深手をおった龍馬は、おりょうの助けで鹿児島藩邸にかくまわれ、 小松帯刀と西郷吉之助にすすめられて鹿児島に療養に行く。温泉めぐりをしながら傷ついた体をゆっくり癒したらしい。
そういえば、学生のころ、宮崎、鹿児島に行ったことがある。高千穂への列車からの眺めは今も覚えている。信州の山国育ちの私でも、九州の山深さには驚いた。秋の終わりだったのだろう。紅葉していたような気がする。寒いときは、やっぱり南の国に行きたくなる。
『旅行のススメ』(白幡洋三郎著 中央公論社新書)には、一人旅は北へ向かい、新婚旅行は南へ向かうなどと書かれている。ただ、日本の新婚旅行の目的地は、当初は、なんといっても温泉が第一位であったそうだ。箱根、熱海といったところだろう。戦後、日本の暮らしが明るくなってくると南国のイメージが受けて、宮崎がその座を奪っていくのだそうだ。
今は、新婚旅行といっても、海外へ出かける人が多いが、昔のような「成田離婚」などという話は聞かない。不慣れな海外へ行きあれこれトラブルが起きると、その対処の仕方で新婚の甘い関係も吹き飛んで、旦那の頼りなさだけが浮き彫りになって、成田で肘鉄を食らうなどということが、20年ほど前は、かなりあったようだ。
しかし、私がお客様と話していると、二人で旅行すれば喧嘩になるから、二人では旅行はしないんだ、という方々も多い。新婚旅行と言わずとも熟年であっても、それだけ、旅行では我が出てくるということなのだろうか。観光、食べ物、買い物、何をとっても旅行中は、人それぞれのスタイルがはっきりと出てくる。やはり、それをすり合わせるのは大変なことである。
だから、弊社にお任せを!などとセールストークを吐くつもりはないが、今、弊社では、「風のハネムーン」なる企画を打っている。
ペルー、モロッコ、ウズベキスタン、ブータンといった国へのツアーを掲載している。過去、弊社のツアーには、実際に新婚旅行で参加される方も結構いらっしゃった。それに勇気を得て、いっそのこと明確にハネムーンとしてツアーをつくろうということである。
弊社のツアーでは、お二人に専属のガイドがつく。時にはフレキシブルに日程を多少変えることも可能だし、食事だってその日の気分で選択できる場合もある。これは、私の勝手な感想だが、ガイドの存在が、結構、お二人の緊張感の緩衝材になってよい作用がはたらいているのではいか。そんな気がしている
もっと新婚旅行に弊社を使って頂たい。新婚旅行に限らず、熟年のご夫婦や、親子、お友達同士の旅にも使って欲しい。それが私どもの願いである。南国の明るいイメージはないかもしれないが、きっと思いで深い旅になると思う。
「風のハネムーン」はこちら