先週、番組名は忘れてしまったが、NHKでネパールの地震から一ヶ月経った現在の様子を伝える番組を放映していた。政府が何もしない中バクタプルに住むあるネパール人青年の奮闘を描いていた。
バクタプルは、地震後の5/7に私も行ったが、世界遺産の王宮広場の周りにあるレンガ造りの民家がかなりの被害を受けていた。密集している家の間を狭い路地が網の目のように走っているが、瓦礫で通れない路地も数多くあった。5/12の大きな余震が、このバクタプルの街を再び襲い、約8割の住居が被害を受けたそうだ。
日本語学校で日本語教師をしている青年は、ボランティアグループをつくり、バクタプルでテント生活をする300人以上の人たちから、今、何が必要かを丁寧に聞き取った。やはり雨季に備えてしっかりした住居が欲しいとのニーズが最も高かった。
とはいっても、日本のように、行政が仮設住宅を建てるわけではない。彼らも、そんなことは端から期待していない。でも、何とかしなくてはならない。雨季はもうそこまで迫っている。彼は、ある大学の研究者が考案したトタンでかまぼこ型のシェルターを作る方法を教えてもらい、赤十字に資材調達への協力を依頼した。少しずつではあるが、このトタンで造ったかまぼこ型のシェルターが建ちはじめている。
弊社でも5/28~6/6まで風カルチャークラブの竹嶋友が、6/6~6/12までを風の旅行社名古屋の古谷朋之が、6/14~6/26を川上哲朗が交代でネパールに入る。その後も続けて入っていく。私も、8月には再訪しようと思う。支援物資を届け、困っている人々に直接渡す。これを基本に活動していく。
竹嶋友は、帰国後、すぐに現地へのボランティアツアーの造成に入り近日中に発表できると思う。カトマンズ周辺の村に実際に行って、可能な範囲で支援活動をしていただく。震源地近くのパトレ村は、雨季の期間は崖崩れ等もあるので乾季になる秋以降にツアーを組もうと考えている。
今回の地震は、ネパールに大きな変化をもたらすと私は思う。政府の無能さは、政府への失望を一層大きくしてしまった。私も、政治の貧困は、もはや国民の我慢の限界を超えたと感じる。どう考えても、政治はよくはなりそうもない。ならば、ネパールは、バングラデシュのように政府を頼らずNGOの力で人々の生活、教育、福祉などが支えられる体制を、今後、真剣に考えるべきだろう。
あれだけの観光資源がある国は世界でも珍しい。なのにそれを活かせない。それどころか、富は、一部のものに極端に偏重する。それがネパールだと、どこかで諦めていたところがあった。が、この地震でみんな目が覚めたに違いない。ネパールは、これから3年くらい、草莽の人々が立ちあがることで混乱が続くかもしれない。いい方向に向かうならそれも仕方ないだろう。