再び、ネパールへ

*風のメルマガ「つむじかぜ」541号より転載

8/9(日)、タイ航空でカトマンズへ到着。今回の訪問は、4.25ネパール大震災の支援先が固まってきたので、それらの団体・個人への挨拶と視察および支援金を直接渡すのが目的だ。

その中のひとつ「Federation of Swayambhu Management and Conservation(FSMC)」は、世界遺産でもある仏教寺院スワヤンブナートで日ごろプジャ(法要)を行っている在野のお坊さんたちのグループである。彼らは僧の格好をしてはいないが、彼らこそがこのスワヤンブナートを守ってきたと言っても過言ではない。

FSMC のGeneral Secretary、Mahendra Ratna Buddacharya氏によれば、「ネパール政府からはまだ支援は来ていないが、いずれ海外からの支援も含め政府が大きな予算を付けてくれるだろう。現在は、こうした皆さんの寄付で可能な範囲で修復を行っている」とのことだ。どうにもこの政府の動きの遅さに苛立つが、この国の事情を考えると、さもありなんである。

私が震災後の5月5日カトマンズ入りした際もスワヤンブナートを訪ねたが、その時はあまりの被害の大きさに呆然とした。ところが、今回訪ねてみると、敷地内の壊れた建物は二階以上はきれいに取り払われトタンの屋根を乗せてしのいでいる。瓦礫も8割がた片付き、既に、一般の観光客も入場していた。

やはりスワヤンブナートの象徴である目玉が描かれた大ストゥーパ(仏塔)が無事であったことが幸いしたと思うが、観光客のためというよりは、ネパール人の熱心な信者にとって一日も早く再開させることが必要だったに違いない。それだけこの国の人々にとって、お寺は日々の生活の一部に組み込まれた大切な場所なのだ。

今回は、弊社のボランティアツアーに参加してくださった方々3名と一緒に、スワヤンブナートで崩れたレンガの撤去作業を行った。なんと、300年以上前のレンガだそうだ。私はたったの一時間ほどだったが、お二人は2日間、お一人は3日間、この作業を続けてくださった。

鳩の糞でアンモニアの臭いを放つレンガを運ぶ。日本よりはましだがかなり暑い。FSMCに組織されたネパール人のボランティアと「ドコ」という籠でレンガを運ぶ日雇いの女性たち総勢20名ほどで行った。大勢だから賑やかでいいが、なかなかしんどい作業である。

NEPAL KAZE TRAVELのフタッフも数人加わった。「まさかスワヤンブーで修復作業ができるなんて思いませんでしたよ」。震災後、ボランティアをしたいと彼ら自身も考えていたそうだ。スタッフの知人にFSMCを紹介されこれが実現したが、彼らにとってこの寺で修復にかかわれたということは、大きな功徳といってもよいのかもしれない。みんな結構興奮していた。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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