機種交換をして

*風のメルマガ「つむじかぜ」575号より転載


申し訳なさそうに携帯取扱店の店員が「機種変更ですか。iPhoneですね。6SならありますがSEは予約待ちです。生産が追いつかないらしくて何時入荷するか分りません」なんと、先月3月31日に発売以来、SEはずっと予約しないと手に入らない状態が続いているらしい。「色は、ピンクしかないんですがよろしいですか?」流石にピンクは勘弁してくれと断ったら、他の色は何時入荷になるかは分らないと言われた。

使っていたiPhone4Sの充電端子の接触が悪く、何時だめになるか分らないので機種変更にきた。入荷が何時か分らないでは困ってしまう。仕方がない、ピンクでもいいかと思い始めていたら、「駅の南口の店舗に行ってみて下さい。あるかもしれません」と“親切”な案内を受けた。「行ってないと言われるのは嫌だから電話で確認してくれませんか」「電話しても答えてもらえません。代理店が違いますから」同じ店だと客は思っていても、実はそれぞれ違う代理店が店舗をやっているのが実態なのだ。

仕方なく、南口の店に足を運んだ。「SEは予約制ですが、6Sならありますよ」「ピンクだけですか」「いえ、何でもありますよ」北口の店舗のあの否定的な案内は何だったのか。あれでは、販売機会を失ってしまうではないかと要らぬ心配をしてしまう。

南口店舗で担当してくれたのは中国人の男性Tさん。なかなか対応もよく時間もさほどかからずテキパキと手続きしてくれたが、24,000円もする専用のUSBがセットだと説明され買わされた。後で、北口の店で聞いてみたらセットなどではなかった。薄々そう感じながら、「まあいいか便利だし」と思ってしまった自分が可笑しくなった。騙されたという不快感はなかった。

結局、現金で一銭も払うことなく機種変更ができてしまった。何のことは無い。結局2年間の“月賦”を組まされた。「実質ゼロ円!」というやり方はダメだと行政指導が入り、2年間の継続使用が条件とはいえ、10万円を超える最新のスマホが月々1,000円程度の負担で購入できる。

もはや、スマホ無しでは仕事にも支障がでる。“月賦”という“まやかし”の仕組みから逃れられない状況が続く。私が子供のころは、電話のない家もあった。電話が普及しても一家に一台。「長距離電話は、高いから長く話すな」と親父がよく言っていたことを思い出す。今や、一人一台で子供まで持っている。そのすべての人たちが、“月賦”を組まされていてそれが一生続く。いやはやすごい世の中である。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


シェアする