書店の減少

*風のメルマガ「つむじかぜ」640号より転載


今日の朝日新聞朝刊に、「書店が地域に1店舗もない『書店ゼロ自治体』が増えている。出版取り次ぎ大手によると、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占める」。という記事が載った。これをして「文化拠点の衰退」と危惧する声も強い。とも書かれていた。

記事を読んで、書店がない街が増えていることを改めて知ったが、私が小学生のころはどうだったか思い出してみた。近所に雑誌を扱う雑貨屋はあったが、書店など当然なかった。書店に行けるようになったのは、高校生になって市の中心街に自由に行けるようになってからである。

しかし、ネットがこれだけ普及し日本中どこでも本が買える今の時代に「文化拠点の衰退」という言葉が、どうも事態とズレているようでむなしく感じてしまった。地域の人もほとんど乗らないのに、ローカル線を残せと言ってもむなしいのと似ている。

私は、本屋で過ごす時間は大好きで、会社の側にも本屋があるので頻繁に行く。「文化拠点」とまではいかないが、憩いの場ではある。しかし、正直に申せば本はネットで買うことが多くなった。何故ならほしい本が本屋にはない場合が多く且つ安く手に入るからである。

「全国の書店数は1万2526店で、2000年の2万1654店から4割強も減った(書店調査会社アルメディア調べ、5月現在)。人口減や活字離れがあるほか、書店の売り上げの6~7割を占める雑誌の市場規模は10年前の6割に縮小。紙の本の市場の1割を握るアマゾンなど、ネット書店にも押される。経営者の高齢化やコンビニの雑誌販売なども影響する。日本出版インフラセンターの調査では、過去10年で299坪以下の中小書店は減少したものの、300坪以上の大型店は868店から1166店に増加。書店の大型化が進む」。(同記事より)

なんと、中小の本屋が減る代わりに大型店が増えている。本屋が全部がダメになっている訳ではない。その理由が今一つ不明だが、要するに町の小さな本屋が消えたということだ。想像するに、やはりコンビニの影響が一番大きいのではなかろうか。

私が使う西武新宿線の駅におじいさんがやっている街の本屋さんがある。私はなるべく雑誌はここで買うようにしている。跡継ぎ問題もあるだろうから心配だが元気に頑張ってほしいと思う。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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