*風のメルマガ「つむじかぜ」641号より転載
8月は、雨が多かった。こんなに雨が降った8月は記憶にない。また、ゲリラ豪雨という言葉がすっかり定着してしまったが、気象庁用語にはゲリラ豪雨という言葉はなく、「局地的豪雨」や「局地的な大雨」、「集中豪雨」などと表現するのだそうだ。その意味は、「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mm〜数百mmの雨量をもたらす雨」とのことだ。
よく一時間に60ミリの猛烈な雨といった表現が使われるが、いったいどれくらいのことなのか数字で示されてもわからない。気象庁では、一時間にふる雨の量を言葉で以下のように表現している。
10ミリ以上~20ミリ未満 → やや強い雨 → ザーザーと降る → 地面からの跳ね返りで足元がぬれる → 雨の音で話し声が良く聞き取れない → 地面一面に水たまりができる
20ミリ以上~30ミリ未満 → 強い雨 → どしゃ降り → 傘をさしていてもぬれる → 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく → ワイパーを速くしても見づらい
30ミリ以上~50ミリ未満 → 激しい雨 → バケツをひっくり返したように降る → 道路が川のようになる → 高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象)
50ミリ以上~80ミリ未満 → 非常に激しい雨 → 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) → 傘は全く役に立たなくなる → 水しぶきであたり一面が白っぽくなり視界が悪くなる → 車の運転は危険
80ミリ以上~ → 猛烈な雨 → 息苦しくなるような圧迫感がある。 → 恐怖を感ずる
小学生のころ一升瓶で作った雨量計が学校の廊下に置いてあった。屋根の上で雨水を集めてそれを廊下まで引っ張って児童に見せていた。理科の先生がつくったものだが、100ミリの雨とは、かなりな長い時間、大雨が続いた場合だったと記憶している。
1㎡に100ミリの雨が降ると、100リットルだから、大きなバケツ10杯分くらいになる。これが地上にばら撒かれると想像してみよう。大変な水量である。降り始めてすでに800ミリ、などという報道があるが、プールの水がそのまま空から降ってきたようなものだ。山が崩れて当然である。
昔から「水を制する者は国を制す」という。今、新たな治水が必要である。
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