冬のネパール出張

*風のメルマガ「つむじかぜ」663号より転載

2月10日香港経由でカトマンズに向かった。香港からの飛行機の中でトレッカーらしき服装をした人は欧米人が数人いただけだった。いつもなら、明らかにトレッキング客だと判る日本人の年配グループを見掛けるのだが今回はいなかった。

だからというわけではないが、トレッキングを目的にネパールを訪れる日本人は急激に減っているように思う。これは前々からいわれていたことだが、団塊の世代を最後に、山登りを若い時代に経験した日本人は殆どいなくなるからだ。山登りの経験が全くないのにネパールまで来てトレッキングをしようという人はそう多くはあるまい。

とはいえ、ネパールの魅力は何といってもヒマラヤである。ネパールのトレッキングに魅了される日本人はこれからもいるはずだ。しかし、トレッキングを好む人が減れば、グループツアーは成立しにくくなる。ならば、従来から行ってきたが、弊社のガイドたちが日本語で案内する安心で魅力的な個人や少人数で楽しめるトレッキングツアーの需要は高まるに違いない。

ネパールのもう一つの大きな魅力は、日本とは全く違う文化、宗教であろう。ヒンドゥ教と仏教が交じり合うように信仰され、クマリ神の存在が独特なネパール人の精神世界を形成している。実は、今回は9月後半に行われるインドラジャトラ祭をツアーにするための打ち合わせも兼ねている。9月20日出発の9日間。前半のインドラジャトラ祭見学だけでも参加可能にし、後半は、「つきのいえ」と「はなのいえ」に行こうと考えている。もちろん私が添乗するつもりだ。

昨日は、クマリの館でクマリ世話役を親子何代にも渡って継承してきた方にお会いした。クマリの伝説やらインドラジャトラの話やらをあれこれ伺い、9月のツアーの中でも話をしていただく約束を取り付けた。

この祭は、クマリを乗せた山車が市内を練り歩くことで有名だが、実は、祭りの初日に諏訪の御柱同様、御柱(YOSHINという)が立てられる。その共通項を探すだけでも興味深い。夜は、仮面舞踏劇なども披露されるし、この祭りでしか見られないスエタバイラブ(白いバイラブ)も観られる。このバイラブの口からチャンというネパールの酒が出て競い合って飲むのだそうだ。

今秋には、新しい飛行機を2機入れてネパール航空が関空からノンストップで就航する予定だ。そうすれば大阪から6~7時間ほどでいけるようになる。もっと多くの方々にネパールへ行って頂きたい。それが、私たちの変わらぬ願いである。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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