スルヤ研修終了

*風のメルマガ「つむじかぜ」742号より転載

ネパールから研修にやってきたトレッキングガイドのスルヤが、研修を終え、本日、羽田から帰路に就く。昨日は、東京のスタッフたち有志17人ほどで送別会を行った。トレッキングツアーでスルヤに散々お世話になっている(株)KAZEエクスペディションの古谷君も参加してくれて賑やかな一夜を過ごした。

スルヤは、11年ぶりに日本にやってきたが、送別会での挨拶には驚いた。最初に日本にやってきたときは、名前をいった後は“ナマステ、楽しかったです。お世話になりました”。で終わりだったのに、今回は、モンゴルでの研修の話や大阪、奈良に行った時の話など交えて挨拶してくれた。もう25年ほどの付き合いになるが、40代後半になったスルヤは、角が取れすっかり落ち着いた風格を感じさせるようになった。

実は、5月に、ネパールでの乗馬ツアーを今後更に充実させようという狙いで、スルヤに日本研修の折にモンゴルへ行ってもらおうという提案を、ネパール担当のスタッフが私にしてきた。ベテランのトレッキングガイドに、今から乗馬を覚えろというのも酷じゃないか、と私は思ったが、5月に定例のネパール出張に行った際、そのスタッフから、本人が乗り気だというので、スルヤのモンゴル行きが決まった。

日本到着の翌々日には、スタッフが添乗するツアーに同行した。だだっ広いモンゴルの草原での乗馬を体験は、さぞかし楽しい体験になったに違いない。「何回でもモンゴルへ行ってみたい」というスルヤの感想がそれを表している。もちろん、モンゴル人の乗馬に関する考え方や馬の扱いに関するノウハウも学んだが、乗馬は素晴らしい、という体験をしてほしかったので企画したスタッフも嬉しかったに違いない。

スルヤは、研修で日本には来るが、決して日本で働こうとはしない。しっかりネパールに根差してネパールで暮らしている。子供の教育には熱心でお金もかかるようだ。ガイドの給料だけで賄うのは大変だろうと思う。

かつて弊社でガイドをしたいたネパール人の中には、日本に来て結婚し、居酒屋で働いたり、トラックの運転手をしもう50歳を超えてしまったものもいる。そういう仕事がダメだなどとはいわないが、トレッキングガイドだったころの生き生きした姿はもう過去のものになってしまっているに違いない。海外に出て、金さえ手に入れば仕事など何でもいいというネパール人が多いが、スルヤのようにネパールで頑張っているネパール人を私は応援したい。

朝、定時に出勤したスルヤは、経費の精算などをして夜羽田に向かう。荷物が結構重いので、古谷君が車で羽田まで送ってくれることになった。先週の金曜日には、スルヤを囲むナマステパーティーにお客様が集まってくださった。心から感謝したい。

今度は、ネパール人の日本観光ツアーの添乗員としてやって来るかもしれない。楽しみだ。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

シェアする