イシククル湖の遥か彼方に浮かぶのはクンゲイ・アラトー山脈
さあ絶景の騎馬トレックへ
尾根から北を見下ろせば、琵琶湖の9倍以上の広さを誇るイシク・クル湖と、その先に遥か彼方に白い雲のようなクンゲイ・アラトーが望め、南を振り返れば、天山山脈の支脈(テレスケイ・アラトー)の雪山や氷河が我々を見下ろしています。途中には緑の草原が広がり、ヒツジやウシが闊歩する楽園のような風景が広がるのです。そんな非常に美しい景色が楽しめるイシククル湖南岸の騎馬トレック。
興味はあるけど、実際のトコロがイメージできなくて二の足を踏んでいるかたもいるのでは?
そこで、「装備はどの程度必要?」「荷物はどうするの?」「乗馬初心者でも参加ok?」と言った素朴な疑問にお答えして、騎馬トレックの実際を詳しく説明します。
ツアー情報
天山山脈の懐・イシククル湖南岸を馬で旅する
拠点となる村・バルスコン
この騎馬トレック・コースの拠点となるバルスコン村は、キルギスと中国新疆ウイグル自治区を隔てる天山山脈の支脈(テレスケイ・アラトー)の麓で、イシククル湖の南岸に位置した小さな農村です(湖からは車で10分くらい離れていますが)。この村にある小さなゲストハウスが、ロッジであると同時に、馬方や馬を供給する騎馬トレックの手配会社でもあります。
ロッジはわずか6部屋、トイレ、洗面所、お風呂(バーニャというサウナ)は共用です。簡素ですが、清潔で小奇麗な、かわいいロッジです。
荷物はどうする?
騎馬トレッキング中の荷物は乗馬に出発する日の朝までに、以下の3つに分けます。
途中、雨が降る可能性があるので、防水対策が必要です。
1.自分で背負うもの(水、雨具、カメラ、行動食、タオルなど)
20-30リットルのザックでザックカバーが必須。
2.馬(サドルバッグ)に詰めるもの(着替え、防寒具など)
各自小さなビニール袋や巾着袋などで小分けにしてポリ袋で包みます。
マリンスポーツ用の防水バッグも便利。1人につき30リットル程度。
馬がかわいそうなのであまり重いものは入れないでください。
3.車に預けるもの=スーツケースなど(騎馬トレッキングに不要なもの)
車はカラコルで待機します。必ず鍵を掛けて下さい。
乗馬の服装・装備
ヘルメット
現地の旅行会社が乗馬用のものを用意します。ヘルメットをかぶる前提で帽子やバンダナなどをご準備下さい。ご持参いただいても構いません。
チャップス(すね当て)
現地にてレンタルをご用意しています。ご自身の愛用のものがある方はお持ちください。
手袋
軍手でよいので手袋もご用意下さい。防寒だけでなく、枝や葉を払うのにも必要です。
靴・ブーツ
防水の利いたスニーカーや、ハイキングシューズなどがお勧めです。ただし靴底が厚過ぎると鐙から足が外れにくくなり、落馬の際に危険ですので、靴底の厚いトレッキングシューズは不向きです。また乗馬用のブーツは靴底が鐙に引っかからないようツルツルなので、雨が降った後に滑りやすい傾斜を馬を下りて歩くような場合は、非常に滑るのであまりお勧めしません。
服装
汚れても良い動きやすい服装で、上下セパレーツの雨具をお忘れなく。日中は汗ばむほど暑くなることもありますが、朝夕は氷点下近くまで気温が下がるので防寒具も忘れずにお持ち下さい。
騎馬トレックの実際
氷河を抱く高峰を見上げて出発
移動距離と時間は、毎日15-17kmの距離を午前2-3時間、午後2-3時間の合計5-6時間馬に乗ります。午前、午後各1回程度の休憩を取ります。もちろん途中にトイレはありません。通常、夕方4時前後にはキャンプサイトについてテントの設営、食事の準備を同行スタッフが行います。
基本的にずーっと常歩(なみあし)でとのんびり進みます。地形的にまっ平らの草原がほとんどなく、山を越え、谷を下るアップダウンの多いコースです。若干速歩(はやあし)気味になることはあっても、駈歩(かけあし)にはなりません(お客様の乗馬レベルにもよりますが先導の馬方がペースを調整します)。スタッフが馬で先導し、他の馬がそのあとを追いかけるので、振り落とされなければ、自然に目的地までたどり着くことが出来ます。
このコースでは馬の数が限られるため、荷馬はいません。乗馬スタッフ、ガイド、そして皆さんが乗る馬が、テントや食料などのキャンプ用品も含めて、全ての荷物を運びます。各馬30kg~40kgくらいのサドルバッグをつけて歩きます。また乗るのは5歳~10歳の成熟した落ち着いた馬なので、暴走の危険はほとんどありません。(キルギスでは4歳で馬は一人前とみなされるそうです)
乗馬中のリスクとしては、木の枝などに引っかかる、バランスを崩して馬から落ちる、馬が転んで巻きこまれる、などです。道中、森の中を抜けるときはかなり横木が飛び出てきますので、必ず手袋は付けてください。また海外旅行保険へのご加入もお願いしています。
※緊急時の対応は?
尾根道から麓へは、谷沿いに何本も羊飼いたちが行き来する山道があるので、悪天候や、ケガ人や病人が発生した場合には、麓までショートカットで下山することが可能です。それすら難しい場合は、この山域はところどころにジープやトラックなら走れる車道が通っているので、麓の村から車両を呼ぶことも可能です。
乗馬レベルについて
多少でも乗馬経験のある方を対象にしています。初心者、初級者でも参加可能ですが、あまり運動神経のよくない方、普段あまり運動していない方、バランス感覚が悪い方、ご高齢の方は、ご相談ください。
アップダウンのあるコースで、急坂を登ったり下ったりすることもあるので、怖がっていると馬が動かなくなってしまい、そのままバランスを崩して落馬する恐れがあります。
キャンプと食事
絶景を楽しみながらの朝食
テントは2名用テントを一人または二人で1張り使用します。トイレテント、ダイニングテントもご用意します。テントはスタッフがキャンプ地到着後にセットしますが、時間がかかる場合もありますので、馴れた方はお手伝いをお願いいたします。寝袋(ダウンの冬用)、マットもご用意します。キルギスの山間部は気温が低い分、ブヨなどの不快害虫は少ないのも特徴です。
お食事は専属のコックが同行して作りますが、火力や材料が限られるためパンやチーズ、ドライフルーツ、缶詰などを利用したもので、やや簡素なものとなります。ご自分でも多少の行動食をお持ちになると良いでしょう。お湯は沸かしてもらえるのでインスタントのカップスープや味噌汁があると食事が進みます。
食事の献立(一例)
パンケーキで疲れを回復
果物もたっぷり♪
パンケーキで疲れを回復
果物もたっぷり♪
● 朝食
1日目はパンケーキとパンにジャム、バター、ナッツ類。持参したインスタントのカップスープをプラス
2日目はパンケーキの代わりにフレンチトーストとソーセージ。
● 昼食
ナッツ、ドライフルーツ、パンと各種チーズ、サラミ、ジャム、チョコクリーム、バター、缶詰のツナ、オイルサーディンなどでオープンサンド、さらに紅茶とコーヒーをピクニックランチで。3日ともほぼ同じ内容。
● 夕食
1日目は「ドゥンダマ」というキルギス風の肉野菜の煮物とパン。
2日目はプロフ(ピラフ)とサラダ。さらにインスタントのカップスープや味噌汁など。
いかがでしょうか?
キルギスでの乗馬トレックのイメージがついたでしょうか?
乗馬としては決して難易度の高いものではありませんし、テント泊もキャンプ生活に慣れた方でしたらまったく不便を感じないレベルです。
キルギスの大自然を、お利口な馬たちと楽しむ、キルギスの絶景騎馬トレッキング。まだまだ広く世に知られていない、今のうちに行かれることをお勧めします。
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