ラサ帰還 [LHASA・TIBET]

ラサに還ってきました!
いよいよ駐在生活が再スタートします!

去年は多くの不幸な出来事のあったラサですが、今は少しずつ落ち着きを取り戻しつつあります。以前のような状態に戻るのはもうしばらく時間はかかるでしょうが、クリティカルな時期が過ぎ、街全体にちょっとした安堵感が感じられます。 

まるで何事もなかったかのように、ラサはいつものように快晴が続いています。「20度を超える暑さ」と表現しても、日本の感覚からはピンと来ないでしょう。日本の大都市よりも赤道に近く、そして富士山とほぼ同じ高度に位置しているラサでは、暑さの感じ方が全く違います。これからゴールデンウィークにかけてラサに来られるみなさんは、日焼け対策、乾燥対策は必須になってくるでしょう。もちろん高山病対策も絶対怠ってはいけません。

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(4月21日夕方のジョカン寺)

僕の知人の中には、チベットには絶対行かないという人がままいます。ある政治的信条から湧き出る思いだとは察するものの、僕はいつも、それはどうかな、と思ったりします。リアリティを感じ、自分の言葉でチベットについての思いを語れるのは、現地へ少しでも足を踏み入れた人たちではないでしょうか。世界中に離散している多くのラマたちがおっしゃるように、たとえ旅行者という身分であっても、「チベットの今」をできるだけ自分の目で見、肌で感じながら、理解しようとすることがどれほど大切なことか。それが長いスパンでチベット人のためになることは、少しでも想像力を働かすことができれば、火を見るより明らかだと思うのです。

話はとびますが、
インターネットで情報を得て、「事足れり」とする風潮に僕は危機感を感じます。十数年ほど前に価値観や意識の拡大などの大々的なスローガンを掲げて登場したインターネットは、確かに我々に便利性を与えてはくれましたが、同時に価値観や意識の縮小を助長しているような印象を受けます。ネットの空間では、ヴァーチャルであると同時に本来の自分を発しつつも、自分の聞きたい、もっと聞きたい意見しか聞かなくなってしまう、非常にナルシスティックな罠がしかけられているからです。グローバライゼーションはローカライゼーション(地域化・地方化・局部化)と同時進行しているという指摘が数十年前から社会学者らによって提出されていますが、まさにその通りだと思います。

チベットは、昔に比べてずっとずっと訪れやすくなりました。
高山病というリスクはあるものの、今では飛行機、車、そして鉄道でも簡単に来れるようになっています。つい最近になって、チベットのことを知った、関心をもったみなさんも多いかと思います。チベットのことをもっと、深く知ること。その土地に足を踏み入れ、実際に肌で感じ、そしてそのときの体験を友人たちに語ることが、我々の価値観を広げ、それはひいてはチベットのために繋がっていることを、チベットの旅の中で感じることができるかと思います。

そのために、僕はほんの少しの間ですが、みなさんのためにお手伝いができればと思っています。 

Daisuke Murakami

4月23日
(ラサの)天気 晴れときどき曇り(ほぼ快晴)
(ラサの)気温 9〜21度 
(ラサでの)服装 昼間はシャツ、フリースなど。 夜はフリース、セーターなど。 日焼け対策は必須。 空気は非常に乾燥しています。 念のために、雨具は持ってきたほうがよいでしょう。