添乗ツアー名 ●森と川と草原の騎馬トレックキャラバン8日間
2018年7月14日(土)~7月21日(土)
文・写真 ● 中村昌文(東京本社)
リピーターに人気の新企画も、3年目。前評判通り、森、川、山、草原が織りなす美しい景観の中での乗馬と、よく調教された馬、快適な施設、美味しい料理が相まって満足度の高いツアーになりました。
参加者は昨年に引き続き参加した3名のリピーターを始め、1人を除いて全員がモンゴル乗馬経験者。ほしのいえ、アルブルドとは一味違う、ボゴドのツーリストキャンプの魅力を楽しんでいらっしゃいました。
騎馬トレックキャラバン1日目の午後はあいにくの夕立で、ずぶ濡れになりながらの乗馬。一瞬心が折れかけましたが、翌日から日中はしっかり晴れてくれて、天候にも恵まれ楽しい乗馬を満喫しました。後からすればあのずぶ濡れも良い思い出です。
移動距離は一日平均20キロ。雨で増水した川を馬で渡渉したり、カラマツの林や、ピンクや青の花が咲き乱れるお花畑のような山道を抜けたり、草原を駆け抜けたりと、変化のある風景のあるキャラバン、そして夜は満天の星空も楽しみました。
このツアー、キャラバンももちろん楽しいのですが、特筆すべきは拠点となるツーリストキャンプです。
1.ロケーションが最高 ネズミの穴がほとんどない!
キャンプの標高は1600mほど。背後には山脈が走り、前には川が流れ、キャンプ周辺は大きな草原が広がります。ここは冬の放牧地なので、家畜はほとんどいません。そのため草が深いのです。このキャンプをベースに川を渡り、谷を抜け、山を越えて、夏の放牧地を目指します。
自然が豊かで猛禽類が飛び交っていて、タルバガン(マーモット)の穴はあっても、地ネズミの穴がほとんどないので、轍ではなく草原を馬で走れるのも魅力です。ワレモコウ、ヤナギラン、ヒエンソウ、ナデシコ、マツムシソウ、黄色いケシ、ルリタマアザミなど、あちこちに色とりどりの花が咲き乱れていて、本当に天国のような場所でした。
2.全体的に大きめ設計で快適
設備は弊社の直営キャンプ「ほしのいえ」と同程度なのですが、すべてが「大きめ」です。欧米人のゲストが多いということで、ベッドが「ほしのいえ」より2周りくらい大きくて、ゆったりと寝られます。
さらに、トイレも広くて「まるで部屋」という感じ。液体石鹸やペーパータオルも完備されています。シャワーゲルも手作り感あふれますが、シンプルで使いやすく、快適です。各ゲルに付いている洗面所の汲み置きの水もたっぷりで「なくなったらどうしよう」という不安感がありません。
荷物は牛車に積んで運ぶなど、電気もガスも水道もない場所で、設備は全体的に「エココンシャス」でありながら、不便を不便と感じさせない快適さと高級感。オーナーのセンスを感じます。
3.食事も洗練されています
モンゴル料理も出ますが、お客さんのほとんどが欧米人ということで、メインはコンチネンタルな料理。羊肉はほとんど使わず、牛肉、鶏肉がメイン。
朝食はセルフサービスでチーズ、サラミ、ハム、サラダ、パン、果物など。もちろん、ヨーグルトや蜂蜜などのモンゴルの天然素材もたっぷり出てきます。インスタントではなく、簡易ドリップの美味しいコーヒーもいただけます。
夕食は、サラダ⇒スープ⇒メイン⇒デザートと、きれいで美味しい料理がサーブされます。ウランバートルのレストランと遜色ないクオリティです。
「モンゴルっぽいものが食べたい」という人には少々物足りないものがあるかもしれませんが、「モンゴルで楽しく思いっきり乗馬したい」という方には、口に合わないモンゴル料理よりも、洗練されたモンゴル風の洋食のほうが安心でしょう。毎日皆さんから「おいしい」の声が聞こえていました。
来年はこのキャンプをベースに、キャラバンだけでなく、ゆったりと乗馬と静かな環境を楽しむ、「のんびりコース」も検討中です。乗馬好きの方だけでなく、モンゴルの大自然の中でリラックスしたい方にもお勧めできるツアーになると思います。今年参加されていた方からも、要望の声をいただきましたので、来年をお楽しみにお待ち下さい。