羊の肉で祝うお祭り
犠牲祭は、ラマダン明けのお祭りと同じくイスラムの重要なお祭りのひとつで、メッカ巡礼を達成したことを祝う日です。
イスラム暦の12月10日に行われるため、西暦では毎年時期が変わります。
巡礼をしない人は羊を生贄として捧げこの日を祝います。殆どの家庭が羊を購入し、当日お祈りの後、解体作業をおこないます。町のマーケットでは、祭りに近づくにつれて羊の値段が高騰し、美味しいと評判の村まで足をのばして羊を買い求めに行く人も。解体した肉の一部は貧しい人に配られ、残りは家族、親戚、友人にふるまわれます。
羊肉を使ったタジンやクスクスといったモロッコ料理が並ぶのですが、1日では到底食べきれないので乾燥肉にしたりして保存しながら使います。
犠牲祭中の観光について
日本のお正月のように普段離れている家族が集まり羊を共に食して祝うため、モロッコの人々の移動で国内の交通機関は大混雑となります。公共バスや電車のチケットは非常に取れにくくなりますが、外国人観光客への影響はそれほどありません。
犠牲祭当日は、博物館などの観光場所や街中の商店の多くはお休みになります。その後3~4日間は、日本のお正月のような雰囲気です。
マラケシュでは、犠牲祭の1ヶ月後に「太鼓祭り」があります。犠牲祭のときの羊の皮で太鼓を作り、フナ広場には多くの太鼓が飾られます。子供達の叩く太鼓の音がこの日は鳴り響きます。