Ⅳ号神殿から望むジャングルの海と、そこに浮かぶマヤの神殿
9世紀頃まで中米で高度な文明を持ちながら、その後忽然と姿を消したマヤの人々。その理由にはいろいろな説がありながらはっきりしたことはいまだわかっておらず、しばしばマヤ文明は「謎」、とか、「神秘」、という言葉で語られます。彼らの技術力の高さをうかがわせるのが彼らが放棄した大規模な巨石ピラミッド群です。中米ではグアテマラを中心とした広い地域にマヤの遺跡が遺されており、中でもグアテマラ北部にあるティカル遺跡、キリグア遺跡、ホンジュラスのコパン遺跡などはその集大成として考古学的注目を集めています。
ジャングルに広がる巨大な遺跡群 ティカル遺跡
グアテマラ北部にあるティカル遺跡は、マヤの遺跡の中でも屈指の規模を誇ります。遺跡の中には、ピラミッド型の神殿のほかに水路、道路なども張り巡らされていたことが分かっており、この遺跡が都市として発展したことをうかがわせています。見学では実際に、マヤの時代に整備された『白い道』(マヤの古道)を歩きます。ユネスコの世界自然遺産と文化遺産の両方に登録されているティカルでは遺跡だけでなく、遺跡全体を包むように広がった豊かな自然も大きな魅力。ジャングルの散策と、迫力満点のピラミッドをぜひお楽しみ下さい。
ジャングルに張り巡らされた『白い道』を歩きます
Ⅴ号神殿のピラミッドはティカルの代表的存在
マヤ文字のレリーフが美しい
キリグア遺跡の石碑
美しいレリーフの石碑が建つ キリグア遺跡
グアテマラ中部、広大なバナナ農園の中にキリグア遺跡はあります。この遺跡は歴代の王の姿を彫った石碑(ステラ)で知られており、遺跡の中には最大で12mにもなる巨大な石碑の数々が残されています。石碑で注目すべきはその側面に彫られたマヤの歴史。解読されたマヤ文字から王の功績など当時をしのばせる記述、マヤ暦の終末などマヤ史に関する様々な記述を見て取ることができます。