

第223回 タルカ ~クルミ~
青いクルミ 「森のくすり塾」の店舗の大窓からは女神山、独鈷山を主役に雄大な景色が広がる。その景色の手前、小さな沢の土手にクルミ(胡桃)の大木が藤蔓(ふじづる)に絡まれて苦しそうにしていた。なにしろ約40年近くも手つかずの […]
青いクルミ 「森のくすり塾」の店舗の大窓からは女神山、独鈷山を主役に雄大な景色が広がる。その景色の手前、小さな沢の土手にクルミ(胡桃)の大木が藤蔓(ふじづる)に絡まれて苦しそうにしていた。なにしろ約40年近くも手つかずの […]
虎のように勇気をもって 八世紀に編纂された『四部医典』にはユニークな喩え(チベット語でぺー)がたびたび登場し、暗誦に苦しむチベット医学生を楽しませてくれた。今回はそのなかでも心に残った喩えを紹介したい。
「四元素でつながっている」の絵解き図 八世紀に編纂されたチベット医学聖典『四部医典』は全般に渡って九音節からなる詩文(チベット語でニェンガ)で記され、それは約二万五千節にものぼる。アムチ(チベットの医師)は詩文をすべて […]
この愛らしさにやられます。 上野動物園のパンダ・シンシンが赤ちゃんを産んだことで、今朝のニュースはパンダのニュースがたくさん放映されていました。関西では白浜にあるアドベンチャーワールドにパンダがいるので、私も何度が見学に […]
薬師如来と鏡 『VOGUEヴォーグ』から取材依頼がきた。どうやらあの世界的なファッション雑誌のようだが、もちろん読んだこともなければ手に取ったこともない。生まれてこのかたファッションにはまったく興味がなく、結婚当初、私 […]
絵解き図に登場するサソリ ツアー参加者にはまず「チベット人の前では蚊一匹でもパチン!と手を叩いて殺してはいけませんよ。無意味に虫を殺さないでください」と注意を促すが、長年の身体性(習慣)は抜けないようで、みなさんついつ […]
絵解き図に登場する蛇 巨大なアオダイショウが実家の廊下を這っていく、その生々しい光景は40年が経過したいまでも脳裏に焼きついている。兄は蛇の尻尾をつかむとグルングルン振り回しながら僕を追いかけ、僕は泣きながら逃げ回った。 […]
熊の胆 現役の猟師であること、つまりいまも生死をかけた現場にいることがAさんの佇まいから伝わってきた。お歳をうかがうのを忘れてしまったがたぶん75歳くらいではなかろうか。 信州の山深い里にAさんの御自宅はある。20歳 […]
冬 「死ぬかと思った」。 あれは1994年、信州・野辺山の高原野菜農場でアルバイトをしていたときのことだった。「小川君、マルチの端っこを持ってて」と親方の命じられるままにマルチ(畑を覆う黒いビニール)をつかみ、地面に当て […]
先日、先行試写会にご招待いただき、4月29日から岩波ホールにてロードショーが決まった、ソンタルジャ監督の『草原の河』を見てきました。この作品は2015年の東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品です。(受賞時の上映 […]
コウジバナ 葉っぱの上に咲く小さな花を見つけた。「それはね、ここではママコグサって呼んでいるの。むかしは継子が憎くて、手の上にお灸をすえたからよ」と古老が教えてくれた。継子、つまり血のつながっていない子どものことである […]
学生を指導するダワ博士 当初、チベット人のお宅で、いつも白湯(チベット語でチュ・ツァボ)がでてくることに戸惑った。日本人にとって白湯は薬を飲むとき以外、客人に出すのはあり得ない。水を出すとすれば氷水だからだ。そしてメン […]