第34回●「セワメト」薬草の主人公
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 愛する恋人が不治の病に冒され余命いくばくもない。 「先生、お願いします。何か手立てはないですか?」泣いてすがる男性に医者は困ったように言いました。 「一つ […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 愛する恋人が不治の病に冒され余命いくばくもない。 「先生、お願いします。何か手立てはないですか?」泣いてすがる男性に医者は困ったように言いました。 「一つ […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 毎朝9時ちょうど、メンツィカンの屋上で全生徒が整列したのを確認すると生徒会長が元気よく号令をかける。 「ブーギ・ゲルカプ・チェンボ・ゲルー・チク・ニ!(大 […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 1999年、初めてダラムサラに到着して間もなく、道端に真っ黄色の樹皮が剥きだしになっているのを見つけて「ここにも黄檗(オウバク)が生えているのか」と懐かし […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 ヒマラヤ薬草実習中盤(第1話参照)、野イチゴの蔓(ティタサンジン)の採取を命じられた。実でも葉でもなく蔓を薬に用いるとは何とも不思議な医学だと、いぶかしが […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 2008年2月11日、チベットの正月休みが明けた最初の月曜日、いよいよ僕の病院実習が始まった。一応、肩書きはアムチ(チベット医)となり、職員の方々から向け […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 「♪おおーきな、ノッポの古時計、おじいさんの時計・・・」 ダラムサラ、正確には尾根沿いに拡がるチベット人の街マクロードに今なお百年間の時を刻み続けている […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 初めてラサを訪れた2004年の夏、空港から街に到着すると僕は真っ先に「紅景天ドリンク」を購入して高山病に備えた。当時の値段で10アンプル28元、これが安い […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 チベット医学を学び始めてからというもの、ふるさと富山の売薬への興味が湧きあがってきた(第2話参)。草根木皮を使用して薬を作ることはもちろんのこと、日本各地 […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 大学の構内の柳(チャンマ)の木の下から級友たちが「おい、オガワ、チャイ飲んでいけよ」と手招きしている。つい10日前の暗誦試験(第23話参)を終えるまでの5 […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 薬草実習において男子生徒が山々を駆け巡ってツェルゴン(第1話参)など華々しい薬草を採取するのに対し、女生徒は来る日も来る日もアワ(ユリ科)という岩場に生え […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 最終暗誦試験ギュースム(第23話)を終えた二日後の2007年11月18日、僕はのんびりとした足取りでダラムサラ在住30年になるB氏宅を目指していた。チベッ […]
小川 康の『ヒマラヤの宝探し 〜チベットの高山植物と薬草たち〜』 「むかーしむかし、因幡の国に・・・」小さい頃、祖母は毎日のように枕元で御伽話を語ってくれ、その中でも因幡の白兎の話が一番多かったような気がする。皮を剥がさ […]