多くの日本人が好きな、いまや国民食とも言えるラーメン。そんなラーメンのルーツは、中国にあります。中国では小麦粉を使った料理全般を『麺食』と言います。なので、ラーメンも、餃子も、ワンタンも、麺食にあたります。
今回のツアーは「冬だから、食べて身体が温まるスープのある麺料理」をテーマに、シルクロードを味わう特別企画です!
“シルクロード”は『麺の道』?
ユーラシア大陸を東西に走る交易路、シルクロードは、かつてシルク(絹)だけではなく、人や文化、モノが運ばれました。そんな中に、小麦や麺文化も伝わったとされています。小麦はメソポタミア(今のイラクあたり)から栽培が始まったと言われていますが、中国にも栽培方法や小麦粉にする技術も伝わりました。青海省の4,000年程前の遺跡からは麺の化石も発見されており、一説によれば、パスタの起源もシルクロードを通って、イタリアにもたらされたとか。
パスタの起源は諸説あるようですが、麺文化と中国は、切っても切り離せない深い関係にあることは間違いありません。ラーメン麺好きの日本人にとっても興味をそそられるものがありますね。
西安-シルクロードの起点
奈良の平城京、京都の平安京。碁盤の目状の街並みが特徴的ですが、そんな街づくりで、モデルとなった都市が、中国の真ん中あたりに位置する古都、西安です。中国古代諸王朝の都「長安」として数々の歴史の舞台になり日本との結びつきも深い都市です。
古くからの国際都市である西安(かつての長安)はユーラシア大陸を通って、ローマまで通じている『シルクロード』の出発地としても知られています。『西遊記』に登場する三蔵法師のモデルとなった玄奘三蔵も、経典を求めて天竺の国(インド)へ旅立ち、そして帰り着いた地でもあります。
そんな悠久の歴史を持つ町から、今回のツアーは出発します。
西安で、何を見る?何をする?
シルクロードを通って日本へ伝わったものの一つに、仏教も挙げられますが日本人にとっても身近な馴染みの深い宗教ですよね。“シルクロード”というと、どこかエキゾティックなイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、その根底に宗教の影響もあるのではないでしょうか。
今の西安には、国際都市として様々なイスラム教を信仰する人達(回族)も暮らしています。そんな彼らの食文化に触れてみれば、様々な宗教を信仰する人々、様々な民族を有する地、シルクロードの奥深さも感じられることでしょう。
今回のツアーでは、郊外の民家で曲曲(チュルチュレ)という小麦粉料理を作ります。ワンタンのような、羊肉等の具材で作られた餃子が入ったスープが身体を温めます。市場へ食材を買いに行き、民家の方と一緒に作って味わい、交流も楽しみましょう。
また、中国の人気観光都市の一つである西安。世界各国から多くの人が訪れていますが、市の郊外で発掘され、西安観光の目玉といえる史跡が兵馬俑(へいばよう)です。
古代中国の初の皇帝となった秦の皇帝の陵墓を守るものとして、兵士や馬、車をかだどった陶製の像が、立ち並ぶ光景はまさに圧巻。中国の歴史の奥深さを感じます。
天水-仏像を鑑賞する
今回のツアーでは、西安(陝西省の省都)と、蘭州(甘粛省の省都)を、陸路移動しますが、途中の町には、「天水」があります。素敵な町の名前だと思いませんか?多くの泉が湧き出し歴史のある町ですが、ここは、中国3大石窟(敦煌の莫高窟、大同の雲崗石窟、洛陽の龍門石窟)に次ぐともいわれる「麦積山石窟(ばくせきざん)」があります。貴重な塑像や壁画などゆっくりとその美しさを鑑賞しましょう。
また、天水と蘭州の町の道中に、大像山石窟という小高い山の上に高さ約23mの如来像が鎮座しています。鎌倉大仏として知られる阿弥陀如来像の高さが約11m、奈良の大仏さんとして親しまれている東大寺盧舎那仏像が約15mなので、いかに高いかも想像できますね。元旦に訪れる大像山石窟。山の上に続く階段を登り、大仏の前に立ち、心静かに新年の誓いをたててみてはいかがでしょうか。
蘭州-お店で「蘭州牛肉麺」の麺打ち体験
母なる大河、黄河が流れる都市蘭州。シルクロードの中継地であるこの町は、回族も多く暮らしています。回族の多くは漢語を母語としていますが、食生活、日常の生活もイスラム教の教えを基にしています。男性は小さな白い帽子を被っている方も多く、一目でムスリムの方と分かります。
そんなムスリムの方は、ご存知の通り豚肉は食べませんが、蘭州の町は「牛肉麺」屋がとにかく多い!ムスリムの方も、それ以外の方にも人気の日常食です。町中の人気の食堂は、早朝から営業し、昼過ぎには完売となるお店もあるくらいです。
今回蘭州での目玉は、実際にお店で麺打ち体験を行うというもの。お店の人から、手順を教えてもらい、生地をこねて、延ばして、麺を作ってみましょう。実際あっという間の作業ですが、自分で延ばした麺は一段と美味しさも増すはずですよ。
悠久の歴史が流れるシルクロードの起点を出発し西へ。有名、無名の史跡を訪れ、現地の人との触れ合いも楽しめる旅はいかがでしょうか?