添乗ツアー名 ● シルクロード入門 冬のトルファン・カシュガルあったか体験6日間
2016年12月29日(金)~2017年1月3日(水)
文・写真 ● 前田優希(大阪支店)
家畜市の屋台のおじさん(カシュガル)
冬の新疆ウイグル自治区。最低気温は-20℃近くまで下がり、正直旅行オフシーズンと呼ばれる時期。そんな時期ですが、風の旅行社ではあえてその時期にツアーを設定。オフシーズンですので、中国国内の旅行者含め観光客はほとんど見かけず、観光地に行ってもほぼ貸切状態。寒さを克服できれば、冬のシルクロードもいいなぁと感じていただけるかと思います。有り難いことに、年末のこの時期に、総勢15名の方にご参加頂くことができました。やはりみなさま今まで色んな国を旅してきたつわものの方ばかり。寒さも吹き飛ばす、始終笑い声の耐えない“あたたかい”ツアーになりました。
~トルファンで古代遺跡を彷徨う~
天山南路と北路の分岐点として、古来から交通の要衝として栄え、異文化が共存していたトルファン。昔、漢族の移民によって建設された高昌国や、ウイグル人による西ウイグル王国などが建国された場所です。
<高昌古城>
高昌古城は、周囲約5キロくらいの城址遺跡で、数年前ではロバ車に乗って遺跡を廻っていましたが、現在は電気カートでぐるり。この電気カートがなかなかの速さで、寒さの中、風を浴び続けるこの時間がツアーの中で一番寒かったです・・・。高昌古城は昔、玄奘がインドに仏典を求めて向かう途中2ヶ月ほど滞在し、説法を行った場所としても有名です。荒涼とした広ーい台地に残る殺伐とした遺跡の中で風の音を聴きながら昔の人々に思いを馳せたのでした。
電気カートで遺跡を移動
殺伐とした高昌古城
<交河古城>
交昌古城と並んではずせない見所が交河古城。こちらは2つの川が交わる高台にある遺跡で、上から見ると軍艦の形をしています。じっくり見ようと思うと2時間以上かかりますので、熱中症の心配もある暑い夏に訪れるより、寒い冬の方が歩き回っていると暖かくなってくるのでいいかもしれません。シーズン中は観光客でごったがえしますが、冬はほとんど人がおらず、写真も撮りたい放題です。
交河古城の立派な入り口
2本の川に挟まれた軍艦の形をした遺跡(模型)
遺跡内は歩いて見学します
広大な交河古城
<民家訪問>
トルファンでは、昼食を食べにウイグル族の葡萄農家、エセンジャンさん宅を訪れました。トルファン盆地は中国有数の葡萄の産地として有名で、トルファンでとれた葡萄は世界一甘いとも言われています。町のいたるところに葡萄を干すための日干しレンガの小屋が見られます。エセンジャンさんの家でもお土産用に家で採れた干し葡萄を販売されています。スーパーの干し葡萄と食べ比べてみると、産地直売ということもあり、その美味しさは格別です!干し葡萄でも種類によって大きさや甘さもいろいろですので、いろんな種類を試されるのがおすすめです。
屋外で焼いた絶品シシカバブ(羊肉の串焼き)
ラグメン作り
1うずまき状にした生地を細くのばします
2両手を使ってさらに器用にのばしていきます
3麺をゆでて炒めた野菜やお肉の具をのせ完成
民族衣装をお借りし記念撮影
自家製の種類豊富なドライフルーツ
~トルファンからカシュガルへ 南疆鉄道乗車体験~
トルファンからカシュガルまで約1500キロの道のりを寝台列車で移動しました。寝台列車のいい点は、寝てる間に移動できるので、体力的にも経済的にも優しいところです。トルファン発夕方便に乗車したので、列車の中から綺麗な夕焼けを見ることができました。電車揺れがちょうど心地よく、夜は意外にぐっすり眠れます。22時頃には消灯しますので、明るい内に身支度すませておいてください。
トルファン駅から列車に乗車
トルファン駅は階段があるので荷物は軽めに
列車に乗り込みます
1等寝台は4名1室のコンパートメント
夕食は食堂車で
車内の洗面所
廊下で充電もできます
カシュガル駅に到着!
~民族の十字路 カシュガル~
カシュガルは人民東路と西路、解放北路と南路の十字路を中心として発展した町で、イスラム教徒のウイグル族が多く住んでいます。そのため、町で見かける人々も伝統的な帽子やスカーフなどを身につけていたりしてエスニック色が一気に強くなり、「あーシルクロードにきたんだ!」とより一層気分を高めてくれる場所です。
<家畜市>
カシュガルの中心地から少し離れた広場で日曜日に家畜市が開催されます。羊、ヤギ、馬、ロバ、豚、ラクダなどいろんな家畜が売買されているのを見ることができます。トラックやバイクなどで次から次へと家畜たちが運び込まれてきて、とても活気のある市です。
<バザール、旧市街散策>
カシュガルの魅力はやはりウイグル族とイスラム教の香りが漂う旧市街です。地元の人々が集まるバザールや、伝統的な技が光る職人街などを歩いていると、昔ながらの生活風景を垣間見ることができます。
活気溢れる日曜バザール
ドライフルーツやナッツが名産
地元民に人気のサモサやさん
スイカや葡萄も名物です
旧市街で出会ったおじさん
職人街で見かける光景
民家訪問
カシュガルでも旧市街にあるウイグル族の民家を訪れました。こちらの家では親戚の子供たちもたくさんいて、豪勢な食卓にご馳走をずらりと用意してくださっていました。民家訪問は風の旅行社の名物でもありますね。やはり民家で頂く家庭料理が一番美味しいです。
豪華な食卓
ご馳走を用意してくださったお母さん
親戚の子供たちも集まってくれました
民族楽器ラワープの演奏も聴きました
いかがでしたか?冬のシルクロードは寒さが厳しいだけに、ウイグル族の人々のあたたかさをより感じていただけるかと思います。冬のシルクロードを旅するための心得については過去の添乗報告記(添乗員報告記●2008年年末シルクロード入門 トルファンとカシュガル6日間)も是非ご覧下さい。