2017年9月1日~4日 文●嶋田京一(風カルチャークラブ)
立山連峰の名峰・剣岳(2,999m)の麓に位置し、多くのトレッカーや絶景を楽しむ人々が訪れる富山県の上市町。環境省と日本エコツーリズム協会で共催する2015年度日本エコツーリズム大賞の特別賞受賞により、注目を集めているこの町で、上市町観光協会のインターンシッププログラムに参加し、地元の人々に長年親しまれて来た森や寺院を生かしながら、町全体で取り組むエコツーリズムへのアプローチを最前線で学ぶ4日間。その第一回目、今回が初めてのツアーです。
着いて早々、滝に打たれたり、様々な打ち合わせに同席したり、町の魅力を自分達の視点で見つけてみたりと大忙しの日々で、気がつけば最終日。その日を迎え、初日に到着した上市駅の改札がなんだか懐かしく思えるほど、長いこと滞在した錯覚に陥るくらい濃密な日々だったのではないでしょうか。
最終日には地元の小学校で「私の中の上市町」をテーマに小学生に向けて特別授業も実施しました。観光協会のスタッフとしての業務体験以外に、地元の方々との交流も大切にした心と体で感じて学ぶプログラムを報告します。
» 富山県・上市町インターンシップツアー、新聞各社に掲載されました!
◆まず観光協会の仕事を知る
記念すべき第一回目のツアーに参加いただいたのは大学生2名。本当は3名だったのですが、諸事情で急遽キャンセルとなり2名での催行となりました。このツアーは現地集合解散、ということで、ご自身で上市駅に集合していただきました。富山駅から富山地方鉄道に乗り、上市駅まで向う車窓にはのどかな田園風景とその奥に名峰・剱岳を擁する立山連峰が望めます。参加されたお二人は、これから始まるインターンシップを思い、きっとドキドキしながらローカル線に揺られていたのではないでしょうか。車窓からの景色を楽しむ余裕はあったかなぁ…?
集合場所の上市駅に着くと、改札の目の前に上市町観光協会のオフィスがあります。インターンシップ受入れ先の観光協会事務局長・澤井俊哉さんの出迎えを受けて、早速オフィスで説明を受けます。澤井さんから、観光協会の仕事の役割、具体的にどんなことをしているかの説明をいただいた後、まずは上市町はどんなところか自分達の目で見るために澤井さんと共に、町の観光資源の見学とプログラム体験に出発です。
◆エコツーリズムプログラムを体験
初日からインパクトのあるプログラムを体験しました。観光資源を知り、発信、伝えていくには身を持って体験することが大事ということでふたりが体験したものは…?
まず最初に着いたのは国指定史跡大岩日石寺。ここは大きな岩に彫られた不動明王が有名なのですが…
この日は、初日ということもあり、宿に帰った後、澤井さんによる上市町の概要や観光協会の役割などのレクチャー(座学)の後、就寝。
◆インターンシップ2日目
この日は、澤井さんに同行して地元の人や地域にある関連施設との打ち合わせに同席したり、森林セラピープログラムの体験や現場の視察をしました。
◆インターンシップ3日目
まず最初に種という集落へ。ここは、その昔、まるで沼のような深さの「湶田(あわらだ)」という田んぼに胸まで泥に浸かって田植えをしていた地域。ここでは、そうした稲作の歴史や、古民家が残る地区の歴史的・文化的な面を次世代に繋げる取り組みを行っている公民館への訪問取材と集落の視察をしました。また、12月には、この地域を舞台にしたツアーがあり、澤井さんがその企画打ち合わせをする場にも同席しました。
◆さぁ、明日は最終日。小学校での特別授業です。ということで、この日の午後は早めに宿に戻り、授業の準備にとりかかりました。今まで見てきた観光資源やプログラムを元にどんな授業をするか、頭を悩ますふたり… 夜遅くまで資料作成など頑張っていました。
◆インターンシップ4日目(最終日)
この日は地元の小学校で特別授業です。2日間のインターンシップで観光協会の澤井さんと一緒に見た観光資源は、ふたりから見たら新鮮で不思議で面白いものばかり。たくさんの魅力があるのに、地元の人は当たり前すぎて案外なんとも思っていなかったりする。でもそうしたものがじつは上市の宝なんだよということを子供達に伝え、その子供たちが大人に伝えることで地域の宝を再認識してもらいたい。
そんな思いでふたりがつけた授業のタイトルは…
「みぃつけた上市のたから」
ふたりが見つけた宝をクイズ形式で出題、子供達に名前や場所を当てさせ、宝物の地図を作っていくという授業です。
◆二人が見つけた上市の宝が地域の子供達の手によって、素敵な地図になりました!
◆お疲れさまでした!
今回の観光協会インターンシップツアーでは、観光協会での就労体験をするにあたり、地域の観光資源を知り、プログラムを体験してもらうことで行程の殆どを費やすこととなりました。実際の業務については打ち合わせの現場に同席するなど、いずれにせよとにかく現場ばかり。オフィスにいたのは、到着時の説明くらいでした。
つまり、観光の仕事というのは現場がメインである、ということを身を持って感じていただけたのではないでしょうか。
ツアーの最後、小学校の特別授業というカタチで自分達の見たもの、体験したものを伝える作業を通してそうした観光協会の業務を体現していただけたのではないかと思っています。
★今回の関連ツアー ※次回は2018年春、夏予定です
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終了ツアー 富山県 滝行・写仏・森林セラピー エコツーリズムの町・上市で観光協会インターンシップ4日間(外部サイト)
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