チベット文化の懐へ 中央チベット
聖地ラサを中心に、チベット発祥の地・ツェタン、ダライラマに次ぐ第2の指導者歴代パンチェンラマの居城のあるシガツェ、チベット最大の仏塔があり、インド、シッキムへの交通 の要衝だったギャンツェ、立体マンダラ・サムイエ寺などは、現在もチベット文化の中心地です。 また、都市間を結ぶ道中では距離感が狂うような壮大な景色が広がり、その中に点在する小さな村々では、素朴な日常生活と人々の敬虔な祈りが息づいています。 チベット語ではウ・ツァン地方と呼ばれ、チベット=西蔵(シーツァン)の語源となったそうです。
聖都ラサ
チベット人発祥の地・ツェタン
チベット人の先祖と言われる観音菩薩の化身・赤い猿と白い羅刹女が住んでいたガンポリの丘。初代チベット王が降臨したラパプリの丘。初代チベット王の宮殿ユムブラガン。歴代チベット王の墓があるチョンギェ蔵王墓。奇しくも1959年にダライラマ14世がインドへ亡命した際には、この土地は彼の背中を見届けています。チベットの歴史を語るうえで欠かせない、重要な出来事がツェタン周辺を舞台にして起こっています。
立体マンダラ・サムイエ寺
8世紀に建てられたチベット最初の仏教僧院でニンマ派の総本山であるサムイエ寺はお寺自体が、仏典の説く宇宙の構造、つまり立体のマンダラをあらわしています。王が中国から招いた禅宗の僧と、インドから招いたインド仏教の僧に論争させ、国教となるべき宗教を決定したのもこの寺といわれています。
行者たちの修行場・チンプー渓谷
ツェタンの郊外、サムイエ寺の後方(北側)十数キロ登ったところにある「聖地の谷」です。8世紀にグル・リンポチェが開いた瞑想窟が108あると言われています。今でもこの聖地の谷ではチベット行者が瞑想修行をしています。夏は野鳥たちのサンクチュアリになります。
パンチェンラマのお膝元・シガツェ
ダライ・ラマに次ぐ「パンチェン・ラマ」が歴代の座主を努めるタシルンポ寺の門前町として発展してきました。タシルンポ寺には歴代パンチェンラマの霊塔や高さ26m、世界最大の金色の弥勒像が安置されています。 また周辺は農耕地帯に囲まれ、農産物の集積地として交通の要所にもなっています。
チベット最大の仏塔を擁する・ギャンツェ
ギャンツェは古くからチベットとインド、シッキムを結ぶ交通の要所として栄え、古い街並みが残るチベットらしい街。100年程前には、シッキムからチベットに進入したヤングハズバンド率いるイギリス軍との戦場となっています。15世紀初頭に創建されたパンコル・チューデは、仏教学問の中心として発展し、中でもチベットでは珍しいネパール様式の仏塔、パンコル・チョルテンには75の部屋があり各部屋に仏像、壁画が祀られています。
密教壁画の世界へようこそ