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四姉妹の聖山 四姑娘山
チベット世界と中華世界を隔てるヒマラヤの東端に属す巨大な「横断山脈」。四川省の成都から僅か230kmの地にそびえる四姑娘(スークーニャン、主峰6,250m)山は、その横断山脈の一部。5,000m以上の嶺が4つ連なり、美しい四姉妹(姑娘=娘さんの意)の伝説が残る聖なる山です。周辺には四姑娘山を始めとした高峰が聳え、発達した氷河谷を取り囲み、アルプスのような雄大な山岳風景を見せています。
天空の花園 一歩先のエリアへ足を踏み入れる
ヒマラヤ山脈、チベット高原の東端に属する四姑娘山群の周辺は3,000m前後とチベット高原では標高が比較的低く、南から吹く湿った風が雨を運ぶため気候は湿潤で、高山植物を始め多種多様な動植物を育んでいます。特に、6〜9月にかけてブルーポピーを始め、珍しい紫、赤、黄色のケシや、アツモリソウ、トリカブト、エーデルワイス、トウヒレン、リンドウなどの高山植物が咲き乱れ、美しい雪山を借景にした草原はまさに「天空の花園」。麓の日隆からは徒歩や騎馬を利用して日帰りでも気軽に植物観察が楽しめますが、今回は山中にキャンプを張り、観光客が大挙して訪れるエリアの一歩先、普段観光客がほとんど入らないエリアまで足を伸ばし、特別ガイド大川さんの案内で四姑娘山の本当の魅力を楽しみます。
四姑娘(スークーニャン)山の山腹はまさに天空の花園
黄葉と山岳風景 秋の魅力を満喫する
夏の高山植物で有名な四姑娘山ですが、秋から冬にかけては冠雪した岩峰や、9月下旬からは紅葉したナナカマド、10月中旬からは黄葉したカラマツなどが谷を埋め、湖や川面に映り、美しい山岳風景を作り上げ、夏とは違った魅力を見せてくれます。特に秋から冬は、晴天率も高くなり四姑娘の峰々が展望できる可能性も高くなります。
長坪溝側から見たセルデンプー山
大川 健三(おおかわけんぞう)
1950年生。コンピュータ製造会社に努める傍ら世界各地を旅行して自然を撮影。2000年6月から中国四姑娘山自然保護区管理局特別顧問。 四川省の少数民族自治州で初めて永住許可された地元を知り尽くす四姑娘の「達人」。現在、アバ・蔵族羌族自治州在住。地元を知り尽くす四姑娘の 「達人」。『地球の歩き方』、日中の雑誌などにも寄稿多数。主な活動はボランティアによる撮影と自然保護。写真集に『蜀山女神 四姑娘山』、『女王谷 東女国残影』。HAT(Himalayan Adventure Trust)会員。WWF(World Wide Fund for Nature)会員。