竹嶋のネパール・レポート(パトレ村編1)

▼5/30 パトレ村へ

朝07:00にホテルに集合。マルシャンディホテルのテラスで朝食を食べていると、次々にスタッフが集まってきた。4WDに支援物資のマスクや蚊取り線香などを積み込み、パトレ村へ向け出発した。

タメル地区では古い建物や寺院、半壊の建物はあったものの、目に入った広範囲な被害はダルバール広場くらいであった。しかし、カトマンズ盆地の西の出口タンコットからダディンに向けて走行し、道路沿いの家屋に目をやると、倒壊している建物が広範囲に目立つようになった。

出発してから約3時間半ダディンに到着。倒壊している建物の解体作業をしている人々の中、メイン通りの商店は元気に営業していた。ここで待ち合わせていた、パトレ村の若きリーダー、シェル・バハドゥール・グルンさん(以下、シェルさんと略)も合流した。本当は昨日カトマンズで会い、一緒にパトレ村へ向かう予定であったが、急遽村での用事が入り、カトマンズに来れなくなったのだった。シェルさんは村の再建のために村と街を行ったり来たり、文字通り駆け回っている。

パトレ村へのお土産にバナナやスイカ、ミネラルウォーターなどを買い、村を目指す。ダディンからパトレ村へは、舗装路から一転、山間の土(ダート)の道を行く。今回荷物を積み移動する車に4WDを選んだのもこのためだ。

パトレ村の麓の町にて パトレ村の麓の町にて

車中でシェルさんから、「村の電気がここ一週間ほど止まって、川からボンプで引き上げている水がなくなってしまった。現在は湧き水などを汲み運んでなんとか凌いでいる」という話を聞いた。

凸凹の道を4WDで乗り越えながら、6月から始まる雨季の道を想像する。きっと7月には道はぬかるみ、車やバイクでの移動は困難であろう。平らな道であれば車両移動が便利だが、悪路の移動には、結局歩くことがもっとも確実な移動方法になる。

そんな事を思いながら、体を激しく左右に揺さぶられること約1時間、目的地パトレ村に到着した。

ダティン→パトレ村への道。地震によって地盤が緩んでいる可能性もある。 ダティン→パトレ村への道。地震によって地盤が緩んでいる可能性もある。


▼パトレ村でのミッション

パトレ村での滞在内容を全てをここで明らかにするには多岐にわたり過ぎたため困難だが、主な事項をお伝えしたいと思う。

  1. 村を歩き、被災状況を確認する
  2. 皆様からお預かりした支援金の一部を支援物資(マスク、蚊取り線香、子どもたちへの遊び道具)に換え、手渡す
  3. シェルさんをはじめ、村のリーダーたちと被害状況や現在直面している問題点を聞き、今後どのような事・物が必要になるか、どのように村を再建していく予定か、またボランティアツアーではどのような支援ができるか、など話を伺う
  4. 村の住人に現在の状況や雨季に向けて懸念される事などを直接インタビューする

「1」〜「2」をやり終えて、「3」のミーティングをする頃には既に夕方になっていた。無論、被災状況を確認するため歩いている時にはシェルさんの熱心な解説を受け、学校に行けば関係者からの歓迎を受けつつたくさんの方を紹介していただき、支援物資や支援金をお渡しする際には、式典のような形式で私やプリスビーにはスピーチも求められる。

村との関係を保ちながら持続可能な支援を行うためには、リーダーたち以外にも村人の理解が不可欠だ。急がずにゆっくりと時間をかけて人々と語り合い、信頼関係を醸成する時間こそが肝になる、そう信じている。

滞在中にやりたいこと全ての内容を1日でこなすのは到底無理なので、この日はやはり1晩泊めてもらうことにした。この日は「3」のミーティングを翌朝に持ち越し、リーダーたちとざっくばらんに語り合った。すでに日も沈みかけ、あたりはテーブルの上に置かれたロウソクの灯り以外、闇に包まれつつあった。



学校に集まった村の人たち 学校に集まった村の人たち

皆さまからお預かりした支援金で購入した物資を手渡す 皆さまからお預かりした支援金で購入した物資を手渡す

支援物資のバトミントンで早速遊ぶ子どもたち 支援物資のバトミントンで早速遊ぶ子どもたち

現在のパトレ村。ほとんどの家屋は全壊のまま 現在のパトレ村。ほとんどの家屋は全壊のまま

風のホームステイツアーで主に宿泊していた家屋 風のホームステイツアーで主に宿泊していた家屋

学校の教室は解体作業が行われている 学校の教室は解体作業が行われている

使えない教室の代わりの屋外教室 使えない教室の代わりの屋外教室



4.25 ネパール大地震
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