コース名:山歩き実践講座 エベレスト展望トレッキング9日間
2012年12月29日~2013年1月6日
文●荻原文彦(東京本社)
2012年12月29日にネパールの首都カトマンズに到着した私達は、いくつかのトラブルにより、目的のエベレスト街道に入ったのは2日遅れの2013年1月1日のことでした。
大晦日にエベレスト街道の玄関口ルクラへの国内線がフライトキャンセルになった時、このツアーを解散し「チトワン国立公園でのサファリ+アンナプルナ展望トレッキング」や「マナスル展望のバンディプール+アンナプルナ展望トレッキング」など全く別の代案旅程も模索・相談しましたが、ヒマラヤの代名詞「エベレストを生で見てみたい!」という15名のメンバー皆様の想いは強く、翌日のフライトに賭けたのでした。
そして、元旦。カトマンズ空港で初日の出を観賞した後、待ちに待ったチェックイン開始! 目的地に向けて航空便にチェックインするという当たり前の事すら歓喜に変わるほど、待ちわびた瞬間でした。その後は、搭乗開始、離陸、機窓より去り行くカトマンズの街並み、ルクラ着陸…その都度拍手喝采、ついにエベレスト街道のトレッキングが始まりました。
トレッキング開始後は、夕方少し雲が出ることもありましたが天候にも恵まれ、ヒマラヤの展望を満喫することができました。
シャンボチェへの道のりについては、過去の報告記をご参照いただくとして、ここではルート上で見られるヒマラヤの山々をご紹介します。
シャンボチェへのトレッキング・ルート図はこちら
カトマンズ ルクラ パクディン
エベレスト街道を目指す時、最初にルクラへの国内線からランタン山群やロールワリン山群の展望が広がります。特に目を引くのがロールワリン山群のガウリサンカールとメンルンツェです。そして、ルクラに到着すると、まず雪を被った二つの頂、カリョルンとヌプラが現れます。
ルクラからドゥドゥ・コシへ緩やかに下り、タド・コシとの出合いまで行くとクスムカングールが現れます。パクディンまでのトレッキング初日の展望はここまでです。
機窓よりガウリサンカール(7,134m)左と
メンルンツェ(7,175m)右
ルクラ空港とままず最初に見えるカリョルン(6,511m)中央とヌプラ(5,885m)右
仏塔とヌプラ
切り立った岩壁をもつクスムカングール(6,367m)が見えた!
カリョルン(6,511m)、ヌプラ(5,885m)、クスムカングール(6,367m)
タムセルク(6,623m)が聳え徐々にヒマラヤが近づいてきた
パクディン ナムチェバザール
パクディンからドゥドゥ・コシに架かる吊橋をいくつか渡り谷沿いを歩くと、新たにタムセルクが聳えます。聖山クンビラを正面に最後の吊橋を渡ると、ナムチェバザールへの600mの登りが始まります。登り始めは特にきついですが、1時間ほど登ると、「あと少し頑張れ」と応援してくれるかのようにエベレストが一瞬顔を出してくれます! 高度をかせぐと背後にコンデリが聳えいよいよヒマラヤの懐へ突入という感じになり、ナムチェバザールに到着。
トクトクから望むタムセルク
ナムチェバザールへ向かう最後の吊橋と聖山クンビラ(5,761m)
「あと少し頑張れ」とばかりに一瞬顔を出す
エベレスト!中央
ナムチェバザールの街並みと
クンビラ山頂
ナムチェバザールからコンデリ(6,187m)
タムセルク(6,623m)、クンビラ(5,761m)、エベレスト(8,848m)、ローツェ(8,516m)、コンデリ(6,187m)
ナムチェバザール シャンボチェ(クムジュン訪問)
北斗七星とタウツェ
いよいよハイライト! まずはナムチェの丘へ登ります。すると、エベレスト、ローツェ、アマダブラムなど今まで見えなかったクーンブの主役が一挙に現れます!! この瞬間、カトマンズでのトラブルや、ルクラからの道のり全て報われた気がしました。ここからは、新たにチョラツェ、カンテガ、テンギラギタウといった6,000m峰が現れ、シャンボチェやその周辺からは、360度のヒマラヤ展望が随所で楽しめます。そして、宿泊ロッジ「エベレスト・シェルパ・リゾート」は一軒宿で回りに光も無いため、夜は満点の星空も待っています。
クンビラ(5,761m)、チョラツェ(6,440m)、タウツェ(6,501m)、ヌプツェ(7,855m)、エベレスト(8,848m)、ローツェ(8,516m)、アマダブラム(6,812m)、カンテガ(6,779m)、タムセルク(6,623m)、コンデリ(6,187m)、テンギラギタウ(6,943m)
通常は、シャンボチェの朝を楽しんだ後、ルクラまで2日間で戻ります。復路のトレッキングは標高が下がり、夜はトレッキングスタッフを交えて踊ったり歌ったりが楽しめてお勧めなのですが、私たちは2日間の遅れを取り戻すため、追加代金はかかりますが復路はシャンボチェからヘリコプターを使いました。
トラブルあったけど、この景色に会えて本当によかった!
復路はヘリコプターでひとっ飛び!
この日本発着9日間のシャンボチェ・トレッキングは、限られた日数でトレッキングをして肉眼でエベレストが見られる最良のコースだと自負しています。(もちろん日数に余裕があれば、もっと先まで足をのばしたり、ネパール乗り入れが楽なタイ国際航空を利用したりと、アレンジは可能です)
肉眼で見るヒマラヤは、写真よりも何倍も何倍も大きく、神々しく輝いています。6年振りのエベレスト街道でしたが、改めてトレッキングの素晴らしさ、そしてエベレストの力を感じる9日間でした。
トラブルを乗り越えてご一緒できたメンバーの皆様、そしてその姿を見せてくれたヒマラヤの神様、ありがとうございました。
ヒマラヤの空はどこまでも青かった
MTBを楽しみました
おまけ
カトマンズ最終日にマウンテンバイク(MTB)オプショナルツアーへ。今回はナガルコットから、かつての宿場町サクーを訪れるダウンヒル。喧騒のカトマンズから少し外れるだけで、のどかな農村・山村地帯が広がります。自転車で楽しむネパールもいかがですか?
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