季刀村での歓迎式の様子。ここのお酒をいただかないと先へ進めません。そして後方にももう一箇所。
貴州観光の拠点となる凱里から日帰りで訪れることのできる村をご紹介します。
石橋(シーチャオ)村
凱里から西南に約40kmのところにある村。最近、広い舗装道路ができたものの、道はそこから2、3kmのところで行き止まりのため、車の通行はわずかでとても静かな村です。すぐそばをきれいな川が流れ、のどかな山村といったところ。小花ミャオ族の暮らす小さな村です。
石橋村のメインストリート
手前が王さんの工房兼作業所
石 橋 村 の 特 色
少し前まではこうやって山道を歩いてしか
たどり着くことのできなかったのだろう
(石橋村を近くの山から望む)
蔡倫の子孫が暮らす村
ここは中国宣紙(中国の伝統的製法の紙)で有名な村で、一説によると1,500年前から続く伝統紙漉きの製法だとか。中国の無形文化財に指定されています。村人のほとんどが紙漉きの仕事に従事し、蔡倫(紙の発明者といわれる人物。現在の湖南省の人で、後漢書によると、「宦官として宮廷に仕え、西暦105年それまでの製紙法を改良し、いままでの木簡などに代わる実用的な紙を帝に献上した」ことになっています。)を祖と仰いでいるそうです。
紙の原料を仕分ける。
時間のかかる手作業だ。
伝統的製法でつくる紙
村にある29軒の紙漉きの家を束ねているのが王さん。王さんの造る紙は、中国各地に数ある伝統的紙(いわゆる和紙)の中で、北京の中国国家博物館に指定され、古典の修復用の紙として使われています。上海万博にも出品し、今や注文も殺到しているというのに、工房は民家の一角。一切、機械を使うことなく、原材料となるこうぞや染料となる植物の収穫から、皮剥ぎ、煮熟、漂白、打解、紙漉き、脱水、乾燥、検品まですべて手作業でこなしています。
洞窟にある秘密工房の奥には紙の
品質を支えるきれいな水が流れ出ている
王さんの秘密?工房
中でも、中国国家博物館に納める最高級品の和紙の製造だけは、特別の工房があるということで案内されました。それが地中深く浸み込んだ地下水が湧き出す小さな洞窟。そこに紙漉き台を2、3台持ち込んだ小さな秘密?工房。その日も従業員が手作業を続けていました。この水で漉いた紙ならさぞやキメ細やかな紙質のものができることでしょう。筆を持ったことのない人でも、一筆したためてみたくなるのでは?
簸箕(ボージ)村
ボージ村は、石橋村の隣にある小さな小さな村で、多くの田舎の村がそうであるように、出稼ぎに行く若者が多く、老人と子供たちだけが目立つ村になっていますが、とても素朴で、ほっとできるところです。石橋村に行くならふらっと散策してみるのもいいでしょう。
秋、村はずれの広場で籾殻を干す
青曼(チンマン)村
凱里から約23kmのところにある小花ミャオ族の村。日本とのかかわりが深く、日本人の協力でできた刺繍博物館があり、古い刺繍や民族衣装などが見られる。日本髪を結ったような髪型が特徴。祭りになると、未婚の女性は銀細工でかたどった水牛の角のような冠を戴く。
歓迎式への向かう村の少女(青曼村にて)
季刀(ジーダオ)村
凱里から約18km。山の麓にある、長裙(ロングスカート)ミャオ族が暮らす小さな村です。村の中に古い高床式の木造家屋が多く、村の近くに巴拉河が流れて、素朴で風光明媚なところです。民族衣装も素敵で、見る価値があります。
季刀村での歌の交換
西江(シージャン)村
凱里から約40km。千戸ミャオ寨と呼ばれるミャオ族最大の村。長裾(ロングスカート)ミャオ族の村で現在も中央に川を挟んで両側の斜面に 1,000戸以上の家が立ち並んで壮観です。最近、凱里からの車道が通り、町の中央通りや広場がきれいに整備されました。中央通りは車両規制がされていて、通り沿いの家屋も、おしゃれなレストラン、バー、ミャオ民族の衣装やアクセサリーを売る店がずらりと並んだ一大観光地と変貌しています。過疎化高齢化が進む山村にあって、若者も元気に暮らしています。素朴な村を訪ねた後、開発・変貌したミャオの村から今の中国の片鱗を知ることができるでしょう。
川沿いには昔ながらの雰囲気が残る西江村
開覚(カイジュエ)村
西江村から山道を歩いて1時間半のところにある小さな村。西江村との行き来は古くからあるが、最近、遠回りする車道ができたため村も変わりつつある。
少し高台に上ると村は結構大きい