「おいしい!」モロッコ料理を食べているとそんな声が方々から聞えてきます。
モロッコ料理は、先住民族ベルベル人によるベルベル料理が元になり、その後アラブ、ペルシャ、トルコなど周辺諸国からの影響を受け、現在の形になったといわれています。
世界最小のパスタと呼ばれるクスクス、独特の三角帽子のタジン鍋で作るタジンなど、日本でも最近ぐんと知名度のあがったモロッコ料理。栄養満点で健康的、かつ美味しいモロッコの食の迷宮へ早速ご案内しましょう。
スパイスたっぷり健康的なモロッコ料理
モロッコ料理の特徴のひとつは、スパイスがふんだんに使われていること。料理にあわせて、サフラン、クミン、シナモン、パプリカ、ターメリックなど様々な香辛料をブレンドし、多用します。中には辛めの料理もありますが、唐辛子は殆ど使われないため、アジアの国々で食べる辛さとは趣の違った味です。さらに料理によってコリアンダーやイタリアンパセリなどのハーブ、香味食材としてオリーブ、デーツ(なつめやし)、アーモンドなどのナッツ類やフルーツ(レモン、りんご、アプリコット)などで味付けされます。
スパイスの刺激と香味食材の甘み。この甘辛ブレンドがモロッコ料理になんともいえない深みを与えています。
スパイスのディスプレイにびっくり!
オリーブも料理にたくさん使います
個人商店やスーパーによっては、「Espice de Tajin(タジン用スパイス)」、「Espice de Kuskus(クスクス用スパイス)」などオリジナル・ブレンドを売っているところもあります。マラケシュやフェズのスークで見かけるスパイス&ハーブ店で見事なディスプレイをしている店もあるので、街歩きの際は注目してみてください。
モロッコ料理に舌鼓
一言でモロッコ料理といっても様々な種類の料理があります。そこで今回はモロッコに行ったら一度は必ず食べていただきたい代表的な料理をご紹介します。
ハリラ
モロッコで伝統的なスープといえば、ハリラ。ハリラを飲めば病気知らずといわれる程、栄養価満点のスープです。ラマダン(断食)中、日没後の食事を「ラマダン・ブレックファスト Ramadan Breakfast」と呼ぶそうですが、その際最初に口にするのがハリラだそうです。日常的にも食されますが、家庭によっては特別料理としてお祝いの席でのみふるまう場合もあるそうです。
モロカン・サラダ
モロッコでは前菜として、大抵の場合サラダが出てきます。但し、洋食でよく目にするグリーンサラダではなく、賽の目状に切ったトマト、玉ネギ、キュウリなどをハーブやクミンで和えたものが主流です。店によってはお米が添えられていることもあります。少し高級なレストランへ行くと数種類の温野菜がたくさん出てくる場合もあります。
パスティラ
粉砂糖がふってあるので、一見お菓子のように見えますが、これも立派な食事の一品。フェズの名物料理ともいわれる、高級料理のひとつです。鶏肉(もしくはハト肉)、玉ネギ、卵、アーモンドなどをパイ生地に包んで焼いたもの。食材の甘さとスパイスの辛さが絶妙に絡み合った、他ではなかなか出会えない味です。最初は戸惑うかもしれませんが、慣れると病みつきになる美味しさです。
クスクス
クスクスは小麦粉に水を含ませ、そぼろ状にした粒状のパスタ。肉と野菜を一緒に煮込むのが伝統的な調理法で、専用のクスクス鍋(二層式)で調理します。鍋の下段でスープを煮、その蒸気で上段のクスクスを蒸す仕組みになっています。
またシナモンや砂糖をふりかけた甘いクスクスもあります。
タジン
円錐型の独特な形をした蓋の土鍋・タジンでつくる蒸し煮込み料理がタジン。
タジン鍋の鍋蓋には蒸気の抜ける穴がなく、弱火で煮込むことで、素材そのものの水分を生かし蒸し料理やシチューを作ります。水を殆ど使わず、食材の旨みや栄養も逃がさないタジンは、砂漠など水が貴重な地域で煮炊きするのに非常に適した道具なのです。
タジンは食材の組み合わせ次第で、数え切れない程の種類ができますが、中でもモロッコで人気の高いのは「鶏肉とレモンのタジン」、「ミートボールのタジン」など肉や魚と野菜を一緒に煮込んだタイプのものです。
砂漠で食べるピザ
マラケシュにいるなら屋台へGO!
美味しい屋台はここだよ!
モロッコのほぼ中央に位置する、赤い街・マラケシュ。この街の中心にあるジャマ・エル・フナ広場は夕方目覚めるといっても過言ではなく、日没の数時間前から屋台の設営が始まり、日没後がぜん活気を増していきます。乾物、揚げ物、串焼き、フレッシュ・オレンジジュース、などバリエーション豊かな屋台は冷やかすだけでも元気がでます。どの屋台に入るか迷ったら、地元のモロッコ人がひっきりなしに訪れるお店、もしくはモロッコ支店のスタッフおすすめの屋台へ行ってみてください。
郷土料理
モロッコ人は超甘党!
驚くなかれ。モロッコ人の甘い物好きは私達の想像を超えています。
モロッコの国教イスラム教では飲酒が禁じられているためか、老若男女を問わず、みんな甘い物が大好き!大人の男性がキャラメルやチョコレートなどのスイーツに目を輝かせる姿は微笑ましいものです。
「モロカン・スイーツ」と呼ばれるクッキーやミニ・タルトをはじめ、「モロカン・ウィスキー」とも呼ばれる、ミントティーにもたっぷり砂糖が入っています。甘いものは苦手だけどミントティーは飲みたい、という方は注文時に「砂糖なし(もしくは控えめに)」と言うのをお忘れなく!さもないと、小さじ3杯分位の砂糖が入ったミントティーが出てきます。ただ、ミントのすっきりとした香りとほろ苦さに砂糖の甘さが絶妙なので、一度は本場の味を試してみてください。お茶の甘さが疲れをそっと癒してくれることでしょう。
一口サイズのスイーツを買いにマラケシュの新市街へ
フナ広場のミントティー屋台
りんごの名産地ミデルトで食べたアップルパイ
ちなみにモロッコ支店のガイド達もモロッコ料理が大好きです。一番好きな食べ物は何か聞いたところ、ラシッドは「『鶏肉とレモン』や『鶏肉とオリーブ』のタジンが大好き!」と言っていましたし、アットマンは「クスクスもタジンも大好き!とても一つには絞れないよ」と言っていました。
モロッコ人も愛してやまないモロッコ料理。ぜひ本場モロッコでご賞味ください!
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