★イザナギとイザナミ、列島を産む。
古事記をひもとけば、イザナミとイザナギの二神が「高天原」から「クラゲのように漂う」海に降りたち、沼矛で混沌をかきまぜ、「オノコロ島」ができる様子があざやかに描かれています。最初にヒルコ、淡島という「期待されざるもの」を産みますが、のち、淡路島と四国、隠岐諸島、九州、壱岐対馬、佐渡、そして本州とつづけ島々を誕生させてゆきます。
それは、海洋民族が日本列島をたどる「産み=海の道」でもあったのです。
★海洋民族の本拠地、淡路島
日本列島を海から俯瞰すれば、内海(瀬戸)と外海(太平洋)の出入り口を扼するように、淡路島が存在します。島の中央に「伊弉諾(イザナギ)神宮があり、そこを基点に東西南北、夏至と冬至の線をひけば、古代の重要な神社がきっちり線上に姿をあらわします。東に伊勢神宮、夏至と冬至の線上には出雲大社、信濃の諏訪神社、熊野那智大社、対馬の海神神社、九州高千穂の天岩戸神社などなど。真南には「オノゴロ島」に比定される沼島があります。
★列島の神々をめぐる旅
古事記をめぐる神々への旅を、まず、発祥の神話や伝説をもっともリアルに感じられる「淡路島」からはじめてみます。淡路島の自然と遺跡を旅して、古事記を産んだ神々に近づいてみましょう。
2014年と2017年の二度にわたり「風カルチャークラブ」で古事記の講座を担当した児童文学作家・芝田勝茂と水野恭一が旅の水先案内をつとめます。
どうぞ、新鮮な視点と解釈で「古事記」を旅する三日間をお楽しみください。
旅程2泊3日・現地(西明石駅)集合・解散。
ファンタジー作家
芝田 勝茂 (しばた かつも)
石川県羽咋市生まれ。児童文学作家。著書にファンタジー『ふるさとは、夏』(福音館文庫・産経児童出版文化賞)『ドーム郡シリーズ三部作』(『ドーム郡ものがたり』『虹への旅』『真実の種、うその種』日本児童文芸家協会賞他・小峰書店)古典に題材をとった『サラシナ』『虫めずる姫の冒険』(あかね書房)。また近未来を描く『進化論』『星の砦』(講談社)がある。編訳に『ガリバー旅行記』『西遊記』『ロビンソン・クルーソー』子ども向けリライトに『銀河鉄道の夜』『坊っちゃん』(学研)伝記『葛飾北斎』(あかね書房2016)『織田信長』(学研2018)など。『空母せたたま小学校』シリーズ(そうえん社2015-2016)や『ぼくの同志はカグヤ姫』(ポプラ社・2018)では近未来と古典文学が融合する、ユニークなファンタジー世界を描く。日本ぺンクラブ会員。
2013年から2018年まで『縄文サマーキャンプ』を山梨県で個人主催で実施した。
HP『時間の木』http://home.u01.itscom.net/shibata/index.html