~第4回となりました。~
第1回「イザナミとイザナギの淡路島」(2022年初夏)、第2回「スサノオとオオクニヌシの出雲」(2022年秋)、第3回「欠史八代と豪族たちの大和」(2023年初夏)。中野の風の旅行社・セミナールームから飛び出した「古事記の神々をめぐる旅」。手探りのツアーも、もう第4回目。毎回、古事記にまつわる遺跡や神社をめぐるたび、さまざまな発見がありました。
今回は、いよいよ南九州です。海幸彦と山幸彦=海の民と山の民が出会う古代神話の伝承は、この地を舞台とし、天孫が降臨した高千穂の峰も、大和ではなく、この南九州に存在します。
ニニギ降臨ののち、数代をへて神武東征がはじまります。東征軍の中枢をになったクメのハヤトとは、鹿児島に住む勇猛な一族でした。宮崎県と鹿児島県。神話と伝説の里で「アマ(天、海)から降臨した神々の物語を追いかけてみませんか。古事記・南九州の巻、はじまりはじまり!
~「神武東征」の出発地~
古事記では、神武東征であれほど活躍する「クメのハヤト」。なのに、いつか宮中の番人、遠い辺地の蛮族のような扱いです。これは「海人族」も同様で、平安時代の宮廷では、かつての栄光はどこへやら、になってしまいます。歴史は繰り返す。明治維新にあれほど貢献した薩摩の若者は、革命が終わると西郷とともに、ねこそぎ討伐されてしまいます。革命軍(東征軍)の中核をなしたクメのハヤトを送り出した「クマソ」、いまその痕跡があるのでしょうか。さらに、天孫が降臨したという「高千穂の峰。」南九州には、「霧島山」にそびえる「高千穂」と、もうひとつの「高千穂山」があります。いったい、なぜ、「天孫降臨地」が二カ所も存在するのでしょうか?謎は尽きません。そもそもいったいなぜ、神武たちは東へ向かったのでしょう。
神武が向かった大和には「ニギハヤヒ」がすでにナガスネヒコやモノノベ氏をしたがえて君臨していました。「ニニギ」と「ニギハヤヒ」との関係は?そして、「九州」とは、いったい?
「古事記」も、「日本書紀」も、神武東征のおおまかな筋はかわりません。南九州での、山幸彦と海幸彦の物語。ウガヤフキアエズや、コノハナサクヤという、まるでネイティヴ・アメリカンの名前のような、古代の生活に即したネーミングのゆたかなひびき。かれらは神話に直結した伝統を背負って、中つ国=ヤマトにむかって船をすすめます。その出発点となった、南九州。そこには、「出雲」の大王や、「親魏倭王」の印を持つ女王たちとは異なる、独自のパワーを発揮した「天孫族」がいたようです。
第4回は、神話から地上に降りたって、いよいよこの国を支配しようとした東征軍の王の故郷をさぐります。いくつかの神宮、神社、そして古代遺跡、伝説の地を経めぐり、二千年の時間をわたしたちの掌にとりもどしてみましょう。
2014年、2017年に「風カルチャークラブ」で古事記の講座を担当した児童文学作家・芝田勝茂と、風の旅行社の水野恭一が旅先案内人をつとめる、新鮮な視点と解釈による「古事記」を旅する三日間です。
※5月31日(金)の羽田空港から鹿児島空港と、6月2日(日)の宮崎空港から羽田空港までの航空券は8名以上の場合、団体券にて手配できますので、お問合せください。往復の航空券代金は39,500円になります。
*5/31(金):ANA621 羽田空港/鹿児島空港 09:05/10:55
*6/02(日):ANA614 宮崎空港/羽田空港 15:55/17:35
※発着時間は多少変更する場合があります。尚、原則としまして3月29日(金)で販売を終了いたします。
※ご自身で手配される場合は上記料金より安い「スーパーバリュー」などもありますが、お支払い期限が予約日を含めて2日以内となり、取消料も早めにかかりますので、ご注意ください。
ファンタジー作家
芝田 勝茂 (しばた かつも)
石川県羽咋市生まれ。児童文学作家。著書にファンタジー『ふるさとは、夏』(福音館文庫・産経児童出版文化賞)『ドーム郡シリーズ三部作』(『ドーム郡ものがたり』『虹への旅』『真実の種、うその種』日本児童文芸家協会賞他・小峰書店)古典に題材をとった『サラシナ』『虫めずる姫の冒険』(あかね書房)。また近未来を描く『進化論』『星の砦』(講談社)がある。編訳に『ガリバー旅行記』『西遊記』『ロビンソン・クルーソー』子ども向けリライトに『銀河鉄道の夜』『坊っちゃん』(学研)伝記『葛飾北斎』(あかね書房2016)『織田信長』(学研2018)など。『空母せたたま小学校』シリーズ(そうえん社2015-2016)や『ぼくの同志はカグヤ姫』(ポプラ社・2018)では近未来と古典文学が融合する、ユニークなファンタジー世界を描く。日本ぺンクラブ会員。
2013年から2018年まで『縄文サマーキャンプ』を山梨県で個人主催で実施した。
HP『時間の木』http://home.u01.itscom.net/shibata/index.html