縄文杉に代表される屋久杉は、まさに屋久島の生命と環境を体現する生物。
「屋久杉を知れば屋久島がわかる」をテーマとする3日間です。
26日には講師に新潟大学名誉教授の崎尾均先生をお迎えし、ヤクスギの生態のみならず、森の成り立ちとその利用、そして歴史を面白く観察し学んでいきます。山・森・谷・海と様々な姿を見せてくれる「野外博物館」屋久島の自然の素晴らしさ・楽しさを、講師とともに体験しましょう。
~屋久島は、『日本の縮図』とも呼ばれています~
海岸は亜熱帯の南西諸島と、山上は冷温帯の北日本と共通する多様な自然環境を有する屋久島は、日本の縮図とも呼ばれ、さまざまな森の生態を体験することができます。
島の上半は縄文杉に代表される屋久杉の森に、下半は熱帯の山地と同じ照葉樹林に連続して広く覆われています。海岸から山頂まで続くこの植生の垂直分布は国内に残された随一のもので、屋久島を世界遺産たらしめた大きな理由の一つです。
~天然杉の森から拡がる『知る面白さ』~
杉を紐解く専門家のお二人は、先日も島根の隠岐の島、富山県の上市などの天然杉の森を訪問。屋久杉にとどまらず、お話は日本各地の杉の原生林について面白く広がります。
杉の面白さがわかると身近な杉、そして他の植物の見え方もきっと違ってくるはず。
「知る面白さ」を存分に味わっていただけるツアーです!
このツアーの運動量について
普段山歩きをしていない方でも、十分お楽しみいただけるコースとなる予定です♪
〈歩く道の参考〉
○1日目→早崎海岸(クリスタル岬):自然道を5分ほど下る部分があります。岩で構成された岬の大地は素晴らしい景観です。
○2日目→ヤクスギランド:入り口部分は遊歩道も完備された本格的な森の中、普段は所要時間2時間半程の山道を、4時間かけて歩く予定。標高差トータル200mほど。適度な軽めの登山程度のボリュームです。途中で専門家の楽しいお話も、ゆっくりお楽しみいただけます。
このツアーは、観光庁実証事業のモニターツアーです。ツアー終了後、アンケートご回答にご協力いただきます。専門家同行料金など事業予算から補助をされていますので、お得にご参加いただけます。
屋久島アカデミー代表
小原 比呂志 (おはら ひろし)
一般社団法人屋久島アカデミー代表理事 屋久島大学専属講師
北海道出身。1987年屋久島に移住。日本のエコツアーガイドの草分けYNACの創立メンバー。NHKドキュメンタリー「伝説の超巨大杉を追う」捜索隊長。『ダーウィンが来た!』『ブラタモリ屋久島編』に解説者として出演。著作に「屋久島のコケガイド」、「屋久島オープンフィールドミュージアムガイドブック」、「屋久島の歴史ガイド」、「屋久島の民俗ガイド」がある(いずれも共著)。
佐渡島,只見の森に精通する植物専門家
崎尾 均 (さきお ひとし)
Botanical Academy 代表、新潟大学名誉教授(新潟大学佐渡自然共生科学センターフェロー)
大阪府出身、埼玉県の林業職を経て、2008年から新潟大学佐渡演習林教授に,2021年退職後、Botanical Academyを設立。博士(理学)、専門は森林生態学、特に水辺の樹木の生活史や保全について研究。現在も佐渡島、屋久島、秩父、只見、富士山をフィールドとして研究。森林や植物に関してセミナーや講義、自然ガイドやサイエンス・カフェなど情報発信を行なう。 NHKドキュメンタリー「伝説の超巨大杉を追う」、「ダーウィンが来た!」、「石丸謙二郎の山カフェ」などに出演。環境水俣賞、尾瀬賞、生態学会大島賞、日本森林学会賞など受賞。著書に「水辺の樹木誌」(東大出版会)、「樹に咲く花−山渓ハンディ図鑑」(山と渓谷社/共著)、「ここがすごい!水辺の樹木 生態・防災・保全と再生」(築地書館)
ホームページhttps://riparian-forest.jimdofree.com
*担当講座一覧