禁断の王国・ムスタンへ!
かつては馬や徒歩で長時間かけて訪れていたこの地も、近年ではジープ道が通じたため、歩かずに短期間で訪れられるようになりました。チベット版大蔵経を求め日本人として初めてチベットのラサに足を踏み入れた僧侶・河口慧海もムスタンのツァランに滞在し、チベットへの潜入ルートを探った(後に断念しドルポルートで潜入に成功)日本人にもゆかりのある地域であり、道中には断崖絶壁や土林に築かれた無数の修行窟、古い僧院、仏塔門があり、古い城砦都市の周りには麦畑や蕎麦畑が広がります。
川﨑一洋先生からのメッセージ
秘境ムスタンにチベット文化と曼荼羅を訪ねる
1991年まで外国人の立ち入りが禁止されていたことから、「禁断の王国」とも称されたムスタン(現在はネパール領)。その都城であるローマンタンへ到るルートには、桃源郷のような村々が点在し、本国で失われてしまったチベット文化が今なお色濃く残っています。また、眼前にせまるアンナプルナ山塊の眺望は圧巻です。
ローマンタンの都城内にあるチベット仏教寺院には、15世紀に描かれたサキャ派様式の壁画が豊富に保存されており、特にチャン・パラカン(弥勒堂)と呼ばれる三層の堂宇では、アジアの至宝ともいえる精緻で色彩豊かな曼荼羅の数々に出会うことができます。
この旅行では、ネパール国内線と専用車を用いて、短時間で効率的に、秘境ムスタンを訪れます。
《ご注意》今回のツアーは川﨑一洋先生の研究旅行を兼ねており、そのため6日目のローマンタンだけは1日川﨑一洋先生がツアーから離れて研究活動(別行動)をされます。あらかじめご了承ください。
現役住職にして仏教美術研究家
川﨑 一洋 (かわさき かずひろ)
昭和49年、岡山県生まれ。高野山大学博士課程修了。博士(密教学)。現在、高野山大学特任教授、四国八十八ヶ所霊場第二十八番・大日寺住職。密教の曼荼羅を中心に、アジア各地の仏教美術、仏教儀礼を研究。ネパールやチベットの各地でフィールドワークを重ねる。
著書:『四国「弘法大師の霊跡」巡り』(セルバ出版)、『弘法大師空海に出会う』(岩波新書)
共著:インド後期密教(上)(春秋社) 第1章担当
インド後期密教(下)(春秋社) 第6章担当
ツアー関連情報
添乗報告記●【ジープで行く】禁断の王国・ムスタン探訪10日間(2018年8月)
ネパールの中のチベット ムスタン 古のキャラバンルートを辿る