関根秋雄さんが講師として同行し、解説する南インドの旅
1498年、バスコ・ダ・ガマはインド西海岸のカリカットに到達し、大航海時代の幕を開きました。以来、ポルトガルはインド西海岸のゴア(現在パナジ)を拠点に、スパイス貿易で繁栄し、多くのボルトガル商人やキリスト教宣教師たちが、西ガーツ山脈を越えインド内陸部にあった王国まで出かけていきました。その王国の名をヴィジャヤナガル王国といい、その都をハンピと言います。日本人には馴染みのない名前ですが、ヴィジャヤナガル王国は、インドの歴史上、最後のヒンドゥー王国として14世紀から17世紀まで強大な勢力を誇った王国でした。しかし、栄華を誇った都ハンピも長きにわたり忘れ去られ、小さな寒村に過ぎませんでしたが、その壮大な遺跡群と特異な岩石群の風景が注目され、1986年世界文化遺産に登録されたのです。いま最も注目される世界遺産です。
今回は、日本人にはこれまで知られていなかった壮大なハンピ遺跡を、はじめてツアー企画とし、じっくり見学してヴィジャヤナガル帝国の栄華に思いを馳せます。
そして、もう一つの見どころは、これも日本人が観光としてはほとんど訪れることのないマイソール州(旧マイソール王国)の旧都スリランガパタナを訪ねる歴史の旅です。この都を築いたハイダル・アリー、テップー・スルター父子が侵略者イギリスと壮絶な戦い(マイソール戦争)を繰り広げたことは近代インドの歴史を理解する上で欠かせません。父子がどのような思いでイギリスと対峙したのかを現地の遺跡にて解説いたします。
以上、今回のツアーは、これまで日本からのツアーでは訪れたことのない南インドの自然景観と知られざる旧都の歴史を探求するインドを知る“知の旅”です。
南アジアの歴史と芸術を解説
関根 秋雄 (せきね あきお)
1946年東京に生まれる。中央大学大学院博士課程を修了し、都立高校の世界史の教師として38年間在職。同時に2000年から中央大学文学部東洋史学科の非常勤講師として、南アジア史・東南アジア史を担当し2017年3月末に定年を迎え退職。現在は、栃木県野木町に在住し、野木町国際交流協会理事及び相模原市を中心に活動する「インドシナ難民の明日を考える会(CICR)」副代表として、国際ボランティア活動を行う一方、「のぎ・歴史を歩こう会」を主宰し、街歩き、城めぐり等の活動を行っている。
主な著書
・『日本とのつながりで見るアジア4―東南アジアⅡ―』(岩崎書店 2003年)
・『世界史授業プリント―「世界史新聞」を生かす』(地歴社 2008年)
・『世界史授業シナリオ―黒板を大劇場に変身させるMPメソッド―』(地歴社 2012年)
・共著は歴史教育者協議会編の『知っておきたいシリーズ』(青木書店)に多数執筆
・翻訳 共著『アジア・美の様式(上・下)』(連合出版 1989年)