私たちの目の前に広がる海、東京湾。
江戸時代に始まった埋立ては、この100年で拍車がかかり、湾岸の約9割の海岸線が埋め立てられました。これらの場所を古地図と現代地図を見比べながら、地理・地質・産業・文化・漁業に食文化と、その土地に秘められた盛りだくさんの素顔を探って歩きます。
時には舟で海からながめ、時には漁師さんと漁業体験をして、漁業文化を実感します。かつて海辺にあった神社仏閣の祭礼に、往年の面影を探ります。もちろん海辺の土地ならではの、おいしいものを食べることも。
世界的なスポーツ大会も終わり、これからも東京湾岸は大きく変わってゆくでしょう。それを静かに観察してゆきたいと思います。
テーマは…「横須賀・安浦漁師とワカメ刈り」
対岸の房総半島が間近に見える横須賀。その沖には猿島が浮かび、地元の漁師たちは神様が宿ると信じています。その神様のおかげで豊饒の海には数多くの魚介が水揚げされ、横須賀漁師たちの生活を支えています。この海で冬場、北海道と同じようなコンブやワカメの養殖が行われていることは、あまり知られていません。こうした海藻を浜辺で海から引き上げ塩蔵ワカメ作りを、地元漁師の栗山義幸さんに教えていただきます。ワカメ丸ごと1本の大きさを実感した後、海辺でワカメしゃぶしゃぶをいただき、生ワカメ1本はおみやげに持ち帰り。安浦の埋立ての歴史もたどります。
*当日、ワカメの成長が良くない場合は、魚などの加工法を学ぶ講座内容に切り替えます。予めご了承ください。
*昼食は含まれておりません。お弁当を持参いただくか漁港に隣接の魚市場食堂(各自支払い)でお召し上がりください。
県立大学駅集合後、徒歩(約15分)で漁港へ移動。栗山さんよりワカメ養殖などについて説明。昼食は、各自にて(持参されたお弁当など)。午後、ご自身で持ち帰る分のワカメ洗いや、ワカメ切り、塩もみなどの作業体験。ワカメしゃぶしゃぶもいただきます。
※当日の天候、その他の状況により順路などは変わる場合があります。その場合代替案として各種入場料や追加の交通費等、別途料金がる場合がございます。予めご了承ください。
当講座では、感染予防の観点からイヤホンガイドを使用いたします(使用料は講座代金に含まれます)。イヤホンガイドとは、話し手が所持する送信機を通じて、複数の受信機へ音声を届けるツールです。
街・村・人をとことん訪ね歩く
眞鍋じゅんこ & 鴇田康則 (まなべじゅんこ・ときたやすのり)
フリーライター&カメラマンの夫婦として「人の生活を記録する」ことをテーマに、長年をかけ国内外を旅して回る。農村漁村で、都会の片隅で、人はどんな暮らしをしているのか? 日々歩きながら探求を続ける。
◯眞鍋じゅんこ 1959年東京生まれ。ベトナムに通っていた頃、そこに古き良き日本があった。そして日本中の村や離島を訪ねて、カメラマンの夫・鴇田康則と記録し続けてきた。面白いことや人を見つけると、じっとしていられない。東京・千葉・神奈川にまたがる東京湾をくまなく取材し、たくさんの面白いことや場所、人を見つけた。著書に『ニッポンの村へゆこう』(筑摩書房)、『産む快感』(自然食通信)、『うまい江戸前漁師町』『中古民家主義 』(交通新聞社)、『アジアで麺』『ベトナムわんさか共和国』(トラベルジャーナル・共著)などがある。また、月刊誌『散歩の達人』(交通新聞社)にて『1964→2020東京オリンピックを歩く』を連載。ブログ『眞鍋じゅんこのまっすぐには歩けない』
◯鴇田康則 1954年東京生まれ。広告や雑誌、レコードジャケットなどの撮影と共に、アフガニスタンなど中央アジアや北米、タイ、ベトナム、などの人々の生活風景を写真に収めて歩く。現在、日本の村や東京の町歩きの他、東京湾の漁師や村の暮らしを記録。「中古民家主義」(交通新聞社)など眞鍋との共著の写真を担当。各種散歩系の雑誌の取材では、下町から山村まで様々なところを歩きカメラで撮影。著書『中古民家主義 』(交通新聞社)』、『うまい江戸前漁師町』(交通新聞社)、『ニッポンの村へゆこう』(筑摩書房)。また、月刊誌『散歩の達人』(交通新聞社)にて『1964→2020東京オリンピックを歩く』を連載。