通常、本州で日本海側と太平洋側を区分するのは高さのある脊梁山脈部です。しかし、ここ氷上地域は境界となる高地が存在せず、太平洋側と日本海側が回廊のようにつながっています。そして平地に分水界が存在し「水分れ(みわかれ)」と称されています。過去の海水準面変動と地域の隆起と浸食、その過程でこの「水分れ」が誕生しました。
南北に続く回廊は生物分布にも大きな影響を与えました。そんな変動の記録も歩きながら解説します。
この地域の基盤は丹波帯の岩石です。大昔の海洋プレート上に堆積した証拠となる多様な岩石・構造を観察します。緑色の岩石を探してみましょう。
貴重な里山で、この水はどっちに?そんな事を考えながらの夏山歩きです。
~ジオ・ワード~
低地帯 丹波帯 中央分水界 海洋底の断片 チャート
※詳しくは当日の解説で!
~行程~
石生駅(10:10)→水分れ公園(10:30)→観音堂登山口(10:40)→岩座展望所(11:30)→向山(12:40)散策・昼食休憩(13:20)→蛙子峰(14:10)→清水山(15:00)→鳳翔寺(16:10)→石生駅(16:30)
【歩行:5.2時間 標高差累積:上り約700m 下り約700m】★★
※注 歩行の目安(★マーク)の基準
★ 通常のウォーキングができる方なら十分参加可能
★★ 一般的なハイキング程度(距離とコース難度の両方を検討)
★★★ やや体力と技量が必要で、少し登山の経験がある人に適している(同上)
固い石も柔らかく解説
田中 宙 (たなか ちゅう)
1968年生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。地球惑星科学専攻。主にフィールド調査をベースに地殻とマントル境界の物質科学を研究。現在、株式会社アカデミック・ブレインズ、シニア・ディレクターとして、基礎科学系を中心にアウトリーチと呼ばれる「最先端の研究成果を社会へフィードバックする仕事」に取り組んでいる。一方でフィールド経験を生かし、関西エリアの各地山域でネイチャーガイドとしても活躍。日本地形学連合正会員。