奈良県桜井市の南方、歴史あるエリアを歩きます。紀伊半島のほぼ中央部に位置し、中央構造線を挟んで外帯とも近接しています。この地域は白亜紀に大規模な火成活動がありました。その核心部をあるきます。
当時、地下で大量の形成されたマグマは噴火という形ではなく、地下で固結し、高温の塊状のブロックとして固体で浮上してきた、その過程を岩石の保持する記録から観察します。マグマの繊細な組成変化、それに連動する岩石の岩相の変化を追います。
岩相の違いは地形の違いに反映されます。ピークに鞍部、山の凹凸には訳があるのです。
このエリアの火成岩は、塊状であったり、少し構造が見えたり、白かったり、黒かったり。同じ岩石名であっても自然の産物である石はそれぞれ微妙に違います。その違いがより詳細なその地点の歴史の鍵となります。
歩かないと見えない部分、新たな発見を求めて白亜紀のマグマの塊の中を歩きます。
「大化の改新・談合の地」談山神社へ続く参詣路から東に、観音信仰の善宝寺を経て、音羽山、経ヶ塚山、熊ヶ岳と縦走します。晩秋の大和路、のんびり歩きます。
~ジオ・ワード~
領家帯 多様な火成岩 深成岩 大規模閃緑岩体
※詳しくは当日の解説で!
~行程~
桜井駅→バス→下居バス停(10:00)→善宝寺(11:00)→音羽山(11:50)→経ヶ塚山(12:30) 昼食休憩(13:00)→熊ヶ岳(13:40)→大峠(14:10)→針道(14:40)→不動滝バス停(15:10)→バス(15:36)→桜井駅(16:00)
【歩行:4.2時間 標高差累積:上り約640m 下り約540m】★★
※注 歩行の目安(★マーク)の基準
★ 通常のウォーキングができる方なら十分参加可能
★★ 一般的なハイキング程度(距離とコース難度の両方を検討)
★★★ やや体力と技量が必要で、少し登山の経験がある人に適している(同上)
固い石も柔らかく解説
田中 宙 (たなか ちゅう)
1968年生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。地球惑星科学専攻。主にフィールド調査をベースに地殻とマントル境界の物質科学を研究。現在、株式会社アカデミック・ブレインズ、シニア・ディレクターとして、基礎科学系を中心にアウトリーチと呼ばれる「最先端の研究成果を社会へフィードバックする仕事」に取り組んでいる。一方でフィールド経験を生かし、関西エリアの各地山域でネイチャーガイドとしても活躍。日本地形学連合正会員。