京都の代名詞ともいえる鴨川。都市を流下する河川としては綺麗な水質を保持しています。源流に位置する岩屋山志明院を訪ね、そこから鴨川沿いを歩き下ります。志明院では、厳しい懸崖が多数存在する境内を歩き、自然崇拝と地質構造の関係を体感してください。歌舞伎演目「鳴神」の話中舞台となった岩窟、鴨川水源を奉る岩窟。役の行者・空海の地質学的見地など、境内散策のご案内を致します。
一路、京都市内を目指して歩き下ります。古生代・中生代の地質単元としては近畿地方で最大級の露出面積を有する丹波帯、その核心部の構成岩石を露頭中心に観察します。また河床では、転石観察も楽しめます。丹波帯は大きく2つの単元に区分されます。その根拠にもなっているチャート。チャートの秘める可能性を解説します。
~ジオ・ワード~
鴨川源流 レッドチャート 砂泥互層 ナップ構造 丹波帯 大洋底堆積物
※詳しくは当日の解説で!
~行程~
北大路駅(8:40)→もくもく号→岩屋橋(9:10)→ここから徒歩→岩屋山志明院(9:40)→境内散策・解説→(10:40)→鴨川下り開始→岩屋橋(11:10)→学校前(12:00)→昼食休憩(厳島神社)(12:30)→出会橋(13:30)→大岩(15:00)→山幸橋(15:40)→叡電市原駅(16:20)
【歩行:約5・5時間 標高差累積:上り約0m 下り約400m】★1(距離は少し長いです)
※注 歩行の目安(★マーク)の基準(距離とコース難度の両方を検討)
★ 一般的なハイキング程度
★★ 歩行時間も少し長めのためやや体力が必要
★★★ 少し登山の経験がある人に適している
固い石も柔らかく解説
田中 宙 (たなか ちゅう)
1968年生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。地球惑星科学専攻。主にフィールド調査をベースに地殻とマントル境界の物質科学を研究。現在、株式会社アカデミック・ブレインズ、シニア・ディレクターとして、基礎科学系を中心にアウトリーチと呼ばれる「最先端の研究成果を社会へフィードバックする仕事」に取り組んでいる。一方でフィールド経験を生かし、関西エリアの各地山域でネイチャーガイドとしても活躍。日本地形学連合正会員。