天国への入り口は段差がポイント?!
さて、いよいよサインシャンダのメインイベントであるシャンバリーンオローン(シャンバラ)である。
モンゴル語では「シャンバリーンオロン」というそうだが、語源はもちろんサンスクリット語の「シャンバラ」だ。最近では、英語で「シャンバラランド」などとも呼ばれている。
「シャンバラ」とは、チベット仏教圏に伝わる、伝説上の秘密の仏教王国でのことなのだが、ここでは「天国」や「理想郷」とほぼ同義語として考えられている。つまり、この地は「天国への入り口」で、死者と交信できる「モンゴルの恐山」のような場所とされているらしい(とは言ってもイタコはいないので、実際には死者に祈りを捧げるだけ)。
さらに、この地は大地のエネルギーが湧き出す場所で、地面に横たわるとそのエネルギーをキャッチすることが出来るらしい。
やってきたシャンバラは一面に赤い砂礫が敷き詰められたような、丸い平らな広場のような場所だった。周囲をぐるりと白い仏塔に囲まれている。野球場1面くらいの広さだろうか。
振り返ると、南には眼下にゴビ砂漠が広がっている。どうやらこの赤い石は火山岩で、遠く北に見える山々が噴火して流れてきた溶岩らしい。流れてきた溶岩は、ここで冷えて固まり、巨大な溶岩台地を作ったのだろう。溶岩台地の末端にあたるこの地は、地下水が染み出し「良い泉=サイン・シャンダ」となったのではないだろうか。
そして、地面の下を流れる大地のエネルギーもその地下水とともにこの地に流れてきているのではないだろうか?
シャンバラもハマリン寺院も、(この後で訪れる僧侶が修行した岩窟も)まさにその溶岩台地がゴビ砂漠に向けて傾斜する直前の「段差」に位置しているのだ。自称
「段サー」
(=段差好き ※注1)の私としては、この段差は見逃せない! もしかすると、ダンザンラブジャーも「段サー」の先駆者で、この段差に着目してこの地にハマリン寺院やシャンバラを開いたのではないだろうか?
私は地学、地質学は門外漢なので、この仮説が正しいのかまったく分からないが、そんな妄想が湧いて来て楽しくなる。是非とも、専門家の方に、コメントいただきたい!(突っ込みお待ちしています)
エネルギーは電波に乗って
そうこうするうちに、同行してくれた、ハグワ社長とお友達のお坊さんが、おもむろにこの「真っ赤な岩の絨毯」の上で横になり、携帯電話で電話をかけ出した。「なんだ? なんだ? こんなときにまで電話?」
実は、ここで寝転びながら電話をすると電波を通じて通話相手にエネルギーが伝わるとされているんだそうだ。
モンゴルでは伝説や神話も現代化が進んでいる!
最後は、ダンザンラブジャーが作ったといわれる歌の歌碑の前でその歌を歌う。なんと、お経を1000回唱えたと同じ功徳が積めるのだそうだ。
<まだまだつづく>
注1
「段サー」:NHKの「ブラタモリ」でタモリが自分のように街の高低差=段差に注目する人間を「段差好き」=段サーと名付けた。
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