ツアー名:冬の蓼科 冬のアトリ類に会う 2日間
2018年3月25日(日)~3月26日(月)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太(みねお ゆうた)
蓼科バードウォッチング 1日目
集合場所に到着すると気温は15℃を超えていて、暖かなバードウォッチング日和となりそうです。早速、探鳥ポイントへ出発です。このあたりはアカマツやハギの木が多いので、イスカやオオマシコに期待ができます。
探鳥には不向きなお昼頃ということもあり森は静まりかえっていましたが、狙い通り上空をイスカが通過しました。その他、カラ類やハイタカ、ノスリも観察。
のんびり景色を楽しみながら進むと、オオマシコの声です! 4羽の群れが採餌していました。若い個体ばかりだったようです。
諏訪湖ではカワアイサやミコアイサが潜水しています。カイツブリやオオバンなども観察できましたが、カモは珍しく少ない日でした。3月とはいえ暑いくらいの陽気だったので、もう渡って行っちゃったのかもしれませんね。
この日の宿泊は、恒例のペンション・ベルクコットさん。餌台に野鳥を呼んで観察させていただける宿です。冬鳥たちもぼちぼち北へ帰っていく時期ですが、夏羽になったアトリ類を観察できるよう、あえて毎年この時期に訪れています。
ただ、今冬は例年になく雪が少なかったようで、宿の周りにほとんど積雪がありません。まさかの見慣れない景色でした!
夕食はワイン、ビールでスタートし、前菜、スープ、舌平目のマスタードソース焼き、12種のお豆が入った鶏肉シチュー、そしてデザートのケーキまでフルコースです。
窓の外の餌台にはタヌキとアナグマが来てくれましたが、アナグマは今シーズン初見のようでラッキーでした。もしかしたら、この日冬眠から覚めてきたのかもしれませんね。
蓼科バードウォッチング 2日目
午前中は部屋でコーヒーをいただきながら観察します。ハギマシコはシーズンはじめに餌台で見られたようですが、ここのところ現れていないそうです。雪が少ないと、どこでも餌がとれるからでしょうね。
3月末なのでアトリの♂の顔が黒くなってきました。夏羽になったイカルはクチバシが真っ黄色です。
じっくり眺めていると、同じアトリ類でも習性や体型がかなり違うことがわかります。各野鳥のエサの食べ方の違いを観察し、カラ類の識別もおさらいしました。室内からの探鳥は、腰を落ち着けて観察できる所に価値があると思います。
ペンションをチェックアウトして蓼科湖へ。カワアイサやアオゲラ、キンクロハジロなどを観察しました。日が当たって風が止むと、ぽかぽかどころか暑すぎてジャケットなしで過ごせます。
その後、ダンコウバイやザゼンソウ、キクザキイチゲ、フクジュソウなどの花々が印象的な雑木林を散策します。
エナガが芽吹き前の高い落葉木の上に巣材を運んでいます。コケを集めて巣の外装工事中のようです。森の中にはシジュウカラやゴジュウカラ、ヒガラのさえずりが響いていました。
サービスが良いキクイタダキも現れました。また、池ではマガモやコガモ、さらにはマガモとカルガモのハイブリッド「マルガモ」の姿が見られました。
マヒワとカシラダカの飛翔、ノスリの旋回、アカゲラとアオゲラの採餌を観察して、1泊2日のツアーが終了。名残惜しい冬鳥たちとの別れも感じられた蓼科バードウォッチングでした。ベルクコットさん、大変お世話になりました!
2019年冬の蓼科ツアーは3/16(土)出発に決まりました。ご参加をお待ちしています。
※写真はご参加の方からもご提供いただきました
【今回確認できた鳥達】
キジ、マガモ、カルガモ、マルガモ(カルガモ×マガモ)、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ミコアイサ、カワアイサ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、オオバン、ウミネコ、トビ、ハイタカ、ノスリ、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、カケス、ハシブトガラス、キクイタダキ、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ゴジュウカラ、ミソサザイ、ムクドリ、キセキレイ、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、オオマシコ、イスカ、ウソ、イカル、ホオジロ、カシラダカ