出発日:2019年8月26日
文・写真 ● 川崎 洋一(大阪支店)
アララト山が心のふるさとというアルメニア人
コーカサス三国の1つアルメニアは関東1都6県より少し小さいくらいの内陸国で、アララト山は現在トルコ領内にあります。しかし、紀元前は、今のコーカサスほぼ全域、アララト山を含む東トルコ、イラン西部におよぶ大国でした。アルメニア人は言います、アルメニアから見るアララト山が一番美しいと。
知らないことだらけのアルメニア
私も出張に行くまでこの国のことを知りませんでした。でも、その新鮮さも1つの魅力かもしれません。
正式国名:ハヤスタン。住んでる人は、ハイ人。アルメニアは英語名でした。パルティアやササン朝ペルシアから帝政ロシア、ソ連に至るまで歴史の大半を、大国支配下にあり、ソ連解体後、独立を勝ち取った国。また、世界で最初にキリスト教を国教とし、支配国のほとんどがイスラム教国家であったにも関わらず、今もアルメニア正教を信じる人々。11世紀、セルジューク朝の侵略で国家は疲弊、国民は海外へ離散。オスマントルコ時代には大虐殺の苦しみを経験しました。
それでも今、2年前のビロード革命を経て、若い指導者の下、パワーがあふれ出している国です。
伝説の国
その長い歴史の中でいくつも伝説が生まれました。そしてその虚実混合が面白い国でもあります。
- 磔にされたイエスの脇腹を刺したロンギヌスの槍が保管されている
- ノアの箱舟の破片が発見された
- 聖書にノアがワインを飲んだ話がある、アララト山の麓トルコ側はぶどうには不向きな土地だ、だから世界最古のワインはアルメニア産に違いない
- アルメニアだけある石文化ハチュカル(十字架模様を彫り込んだ石)は、ひとつとして同じ意匠のものがない
- 紀元前から貴重な赤の染料として用いられたアルメニア産のカイガラムシが広くヨーロッパまで取引されていた
- 荒野に不可思議な並びのストーンサークルがあるが、そこは世界最古の天文観測所だ
- 地震を予知する不思議な柱がある
- キリスト教を布教した聖人を深い井戸に閉じ込めたところ10年以上生きていた(ホルヴィラップ修道院)
- 人里離れた峠にキャラバンサライが残っている
- 19世紀まで洞窟住居に暮らしていた村がある
日本国籍の人は180日間ビザ不要。治安は概してよく、気候は標高によって多少ばらつきがありますが、朝晩の冷え込みに注意いただければ、過ごしやすいです。春~秋がベストシーズン。そして自慢のワインと食後のガタと呼ばれるパン菓子やバクラバというデザートがお勧めの国です。ぜひ、ミステリーを楽しみにアルメニアへ。
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出発日:10/1