あけましておめでとうございます。
せっかく奈良県に住んでいるので、国内でシルクロードに因んだ旅ができないかと明日香村に向かいました。飛鳥の地を選んだのは最近読んだ松本清張さんの「火の路」という小説に登場し重要な役割を果たすのに、自分自身よく知らなかった場所があったからです。それが、主人公がゾロアスター教の拝火壇と推定した巨石「益田岩船」と、同じく主人公が「拝火教に心酔した」との説を唱えた斉明天皇が巨石を運んで宮を作ろうとした「とうのみね」の2か所でした。
益田岩船は一般の観光ルートから少し外れているため(恥ずかしながらこの本で読むまで知りませんでした)あまり人が訪れない裏山の中にあり、私の訪れた時もまったく人気なく巨石を前に小説の世界にどっぷり浸ることができました。深夜、真っ暗な中、この岩の上に「永遠の火」が燃えていたとしたら・・・神秘的だろうなあ。
とうのみね(多武峰)は昔からなかなかの名所だったようで子どもの頃からよく耳にしていましたが、その言葉にどこか謎めいた怖い響きを感じていたため何となく避けていました。明日香村の裏にそびえる山で、大化の改新で中臣鎌足と中大兄皇子が密談した場所として知られる山。今も藤原鎌足を祀る談山神社と紅葉で人気があります。神社の裏に二人が密談をしたとされる「かたらい山」と鎌足の墓があるという「御破裂山」という2つの山頂があります。御破裂山は天下に変事があると鳴動し、神像に亀裂を入れたことからそう呼ばれているそうで、名前に魅かれて登ってきました。コロナ禍の今、さぞや鳴動していると思ったのですが、もう動き疲れたのかこの日はひと揺れもありませんでした。
帰路に、近くに庭の南天がきれいな寺があると聞いたので「難が転じる」ようにと立ち寄りました。
気が付けば第三波。飛鳥時代なら山は裂け、どこかに遷都していたことでしょう。21世紀の今日、都を遷したり、神にすがったりせずともこの難局を乗り越えたいものです。(といいながらしっかりお寺で祈願してきましたが)。今年もよろしくお願いいたします。
コメント一覧
森 裕記2021.01.15 08:39 pm
二村忍2021.01.18 10:17 am
川崎 洋一2021.01.18 04:29 pm
川崎 洋一2021.01.18 04:36 pm
芝川2021.02.15 11:33 am
川崎 洋一2021.02.22 04:33 pm