シルクロードだより 第39便 ベゼクリク千仏洞@トルファン

シルクロードから写真が届きました。

ベゼクリク千仏洞 火焔山にもほど近い場所にあります

今回はトルファン郊外のベゼクリク千仏洞からです。
中国シルクロードツアーでも、必ずと言っていいほど訪れる千仏洞の1つです。

6世紀ごろから開削されたようですが、現在残っている大半が9~11世紀、古代ウイグル人が深く仏教に帰依していたころのもの。
Z氏曰く、「残念ながら保存状態は敦煌などには及ばない」と。
「日本の人が興味をもちそうな石窟はありませんか?」と聞いてみましたら
2つの特別窟(有料:現在1人300元/窟)を教えてくれました。

1つは、15号窟。

デジタル復元でよみがえった15号窟の壁画(龍谷ミュージアムにて)


NHKや龍谷大学などが中心となって、デジタル復元に挑んだ窟で、NHKの新シルクロードシリーズでも紹介されましたので、どこかで見た方も多いのではないでしょうか?

もうひとつは9号窟。

ベゼクリク千仏洞 9号窟の入口


窟の中央に屋根を有する建物があり、その周りを回れるようになっていて、正面にはかつて仏像安置されていました。見どころ?は、左の壁。ここに修行僧があふれていたころ、熱心な信者が、施主となって仏像や壁画を作成させてたとのこと。その施主の名前が書かれているところに、大谷探検隊の隊員が名前を落書きしているというのです。
お金を出して名前を書いた人の横に、文化財を持ち帰って名前を残すというのは、申し訳ない気持ちがあって気がすすまないかもしれませんが・・・。

そのような歴史的事実も含めて、知っておきたい方は、ぜひ、有料窟も覗いてみてください。

ちなみに、一般窟(いわゆる入場券で見学できる窟、追加の料金を払わなく公開されてる窟)が7つあります。その1つ33窟も有名です。お釈迦様が亡くなられた時、周辺の8つの国の王が駆け付け、仏舎利の奪い合いになりかけたときの絵「八王分舎利図」だそうです。入滅されたお釈迦様の像(または絵が描かれた部分)が下にあったはずですが、残念ながら、はぎとられたようです。さて、一触即発だった八王のその後ですが、結果的には仏様の教えに従い、仲良く舎利を分け合ったとのことです。めでたし、めでたし。
※尚、上記では33窟の絵を現地の有力説に沿って紹介いたしましたが、33窟の絵の解釈等については、諸説あり確定していないようです。(コメントをいただき一部加筆修正しています)

ベゼクリク千仏洞33窟 八王分舎利図

2025年、トルファンを訪れるツアー!

蘭州・敦煌・トルファン・クチャ

中国シルクロード仏教伝来の軌跡・石窟街道をゆく 9日間

出発日設定2025/03/07(金)~2025/10/22(水)
ご旅行代金548,000円~626,000円
出発地東京、大阪
sr-sp-sekkutsu09 sr-sp-sekkutsu09

ツアー


トルファン・クチャ・カシュガル・ホータン

中国シルクロード 天山南路とタクラマカン砂漠とパミール高原9日間

出発日設定2025/05/21(水)~2025/10/15(水)
ご旅行代金497,000円~508,000円
出発地東京・大阪
sr-sp-tennanpamir09 sr-sp-tennanpamir09

ツアー

風のシルクロード ツアー一覧

風のシルクロード ツアー関連情報一覧

風のシルクロード 風のスタッフブログ一覧

シェアする

コメント一覧

ベゼクリク石窟に関する記事を拝見しました。第33窟の壁画の解釈について、違った考え方をしていますので、メールいたします。掲載された写真(第33窟の奥壁)ですが、下方の土壁が剥き出しになっている個所は、涅槃像の後背です。釈尊の身体が負う身光です。当初は、多分塑土で盛り上げ、彩色されていたと考えられます。剥ぎ取られたのではなく、剥落したのだろうと思います。奥壁の前にはベンチ状のベッドがありますので、当初は絵ではなく、彩色された塑像の涅槃像があったはずです。これも朽ちたと考えられます。8人の王は、舎利八分に関連づけるべきではなく、敦煌莫高窟壁画などでも見られる、涅槃場面に参集した諸国の王や王子でしょう。顔貌や帽子、衣服などで國の違いを描き分けています。第33窟には舎利8分図は描かれていません。ご検討いただけましたら幸いです。

中野照男(なかの てるお)2025.03.21 10:38 pm

中野照男様 拙文をお読みいただき、そして貴重なご意見ありがとうございます。 コメントを拝見して、ご指摘のように涅槃像の方がしっくりくると感じましたので、現地に再確認いたしましたところ、涅槃の絵ではなく涅槃像があったという説の方が現在は有力とのことでした。私の聞き違いでした。訂正させていただきます。大変失礼いたしました。 絵の解釈や剥ぎ取り/朽ち果ての説につきましても、現地の有力説をそのまま紹介したため、断定的な書き方になってしまってました。諸説ありますこと追記したいと思います。ありがとうございました。(大阪支店 川崎洋一より)

スタッフの声2025.04.01 10:54 am

コメントを残す

※メールアドレスが公開されることはありません。