臨時休業や非常事態宣言が始まる前から、風の旅行社は、今回のCOVID-19による苦境が最悪の場合1年位の長期戦になることを想定し代表の原は、海外旅行ができない以上、「とにかく社員とその家族を守ること」を最優先に雇用調整助成金などの制度を活用するために奔走してくれました。
まだそれほど切迫感が無かった2月下旬から3月初旬頃は、パタゴニアやネパールへ行って下さるお客様もいらっしゃり、現地のスタッフと「このような状況下で不安もあるでしょうから、最大限のおもてなしで、旅行中は不安なく楽しんでももらいましょう!」と、風の旅行社のスタッフとして“今やれること”に全力を注いでいました。ハプニングもありましたが、元気に帰国されて楽しいご報告をいただいた時は本当に嬉しかったです。
その後、ちょうど航空便の運休やビザの発給停止、出入国制限などが日替わりで加速し、旅行会社としての“今やれること”が旅行取消のご返金手続き位という頃のある日に「副業もOK」という話がでました。既に出社日をコントロールし始めていた時期ですが、就業後には原や出社メンバーで「これからどうするよ?」と飲み語っていました。
お金と時間があれば、今後の企画のために世界の面白そうな場所へ自由旅行したいところですが、悲しいかなお金も無いし、そもそも飛行機も飛びません。ですから割り切って、「会社は全力で雇用を守ろうとしてくれている、それなら元気に再集合し現地とともにKAZEツアーを再開するその時まで、自身の“今やれること”をやろう」という気持ちになりました。そこで、ビルメンテナンスの会社を20年以上続けている大学&山岳会の20年来の先輩に懇願し、副業生活が始まりました。身体を動かしたかったし稼ぎたかったわけです。ふたつ返事でOKしてくれた先輩にも感謝です。
都内や神奈川、千葉、埼玉のマンションの大規模修繕工事が主な仕事現場です。組まれた足場から外壁の高圧洗浄をしたり、窓やバルコニーの清掃などで、時には足場の組めない狭い外壁で長時間ロープにぶら下って作業をすることもあります。この仕事は20年以上前の学生時代にもアルバイトの掛け持ちでやっていましたから、全くの素人というわけではないのですが、先輩はじめ職人皆さんの仕事っぷりの前では、まだまだ役にたてるレベルではなく、歯がゆい思いもしました。しかし、仕事というのはやっぱりどこかで誰かの役に立つことであって、そうやって社会の一員として人生を全うしていくものなんだなと改めて思いました。
ただ、担当しているネパール風スタッフ達は、ずっとロックダウンが繰り返し延長されていて、副業もできずに籠る厳しい生活をしています。ですから、日本も風の旅行社も恵まれているとも思います。
最近のお気に入り!
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そんな副業生活が間もなく3か月になろうとしています。日々、朝から汗を流し肉体労働し、夕食時には帰宅して自分へのご褒美の晩酌をし、家族との時間も増えました。飲む量も格段に増えましたが、身体年齢は8歳も若返り体脂肪率も8%落ちました。毎日酒を酌み交わしていた風の飲み仲間とは月に一度位のZoom飲み会だけに、そして副業させてもらっている先輩とは家族と過ごす以上の時間を共にする日々…。なんだかパラレルワールドに迷い込んだかのような気持ちがしています。緊急事態宣言下での電車は空いていて、京浜東北線では東京駅から下りの車内では一両に自分しか座っていない事もありましたが、今では三密の通勤電車が戻ってきました。パラレルワールドから徐々に本来の日常に近づいているのかもしれません。
自分が“今やれること”って、状況下で柔軟に変えてもよいと思います。そうやって皆さん今を過ごしておられるのだと思います。それでもやっぱり、大好きなネパールや山のツアーに、再び素敵な方々と風の旅行社のスタッフとしてご一緒できる日が来ることを願っています。
コメント一覧
いちかわ2020.06.11 08:39 pm
島田純子2020.07.03 09:37 pm
おぎわら2020.07.08 07:15 pm