短い夏の終わりが感じられる今日この頃。
夜には虫の音の響く季節になりました。
こう書くと風流めいたものがありますが、最近転居した家の周辺は林と草むらが生い茂っているため、その賑やかさたるや昆虫オーケストラです。
昼は、夏の終わりとあって、ツクツクホウシとヒグラシの旋律がフォルティッシモに。相変わらずアブラゼミの声は途切れることなく、常に楽団の土台として響いています。夕方になると、コオロギのリリリリ…から始まり、日が沈むとウマオイのスイーッチョン、時折、聞きなれない虫の音が聞こえれば、子供と一緒にネットで検索して突き止めてみる。
これまでは、私にとって虫の世界は「wonder land = 不思議」であり、「愛でる」対象ではありませんでしたが、引っ越して虫いっぱいの環境へ移り、3才の息子に引きとめられてはしゃんがんで観察する日々を通して、別の感情が。
派手な色を纏ったカメムシは、どこか得意げに見える。
カマキリの三角頭に昼間の目(緑色のなかに黒い点)、コワモテだけど案外ひょうきん者なのでは??
蛹となった蝶はその中で、どんな気持ちでいるのだろう? 羽化したら人格変わっているんだろうな〜。
穴から這い出たセミが歩くところに遭遇すれば、もうすぐ木に登れるよ!と声援を。脱皮、背中痛そうだな・・・。
ついつい虫たちに、人格ならぬ虫格を与えて感情移入するようになっているのでした。
けして人間のモノサシでは計り知ることのできない昆虫の世界。おなじ地点にいながら、異界に暮らしているのだなぁと感じます。そこで暮らしていることには意味がある、不思議な造形ひとつひとつにも意味がある。(なくても、それはそれでいい)
人間とは全く異なる価値観を持って懸命に生きる彼らを尊重しつつ、嫌われ者の虫でも「ムシぃ!」と忌み嫌うことはなくなりました。
ただし、ゴキブリだけは・・・ごめんなさい。まだ薄目でしか見ることができません。