シルクロードだより　第16便　ベデル峠

「クチャは旧市街もいいですよ」と、3年前にあったウイグル料理の食堂の写真を見せてもらいながら、Z氏からそんな話を聞いているとき、中国の西北に位置するキルギスから「ベデル峠が開いた！」という知らせが舞い込んできました。

ベデル峠とは、中国新疆ウイグル自治区のアクス地区（クチャもそのひとつの街）からイシククル湖（現キルギス）にいたる途中にある峠（今は2国の国境にもなっている）で、三蔵法師のモデルとなった玄奘三蔵がインドに仏典を求めて越えたと言われる天山山中にある峠（有力候補地）で、シルクロードファンなら一度は越えてみたい峠（と勝手に思っています）です。ただ、いままで軍事的理由か何かで国境は閉じられていました。
そこが開いたというのです。昨年あたりから、近々開くかもという話が出ていたそうですが、「ついに開いたか！？」と叫びそうになりました。

ちょうどZ氏とつながっていたので、中国側の情報を確認したのですが、残念ながら、そのような話はないとのこと。

キルギス側に再度確認したところ、9月の初旬に一度開いたのは開いたが、どうやら政治的行事のためらしく、この峠が旅行者に開放されるまでには、道路の整備やイミグレーションや税関のインフラや施設を整えなければならず、中国キルギス2国間で協力して2027年完成を目標に進めていくような話でした。おそらく、その起工式的な行事のために開いたのではないかと推察します。

残念！しかし、この情報が事実ならあと3年後には、ベデル峠を越えられる日が来るかもしれません。シルクロードツアー企画の楽しみがひとつ増えました。

ちなみに、3年前の食堂は今も旧市街に健在とのこと。今度いったらおいしいカワップ（串焼き肉）を食べに行こう。

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