【ネパール駐在日記】チトワンに関してはむしろ淡水貝の味を語りたいんだ

ナマステ! こちらはすでに桃の花が盛りを過ぎ、すでに我が家のキッチンにはコバエやアリが出没しています。日本よりひと月ほど早く季節が進むイメージでしょうか。

カトマンズでも暁を覚えずに難儀している昨今ですが、今回はさらに暖かい地方まで足を伸ばしてきました。

カトマンズからツーリストバスで7時間(飛行機もあるけどケチった)、到着したのはチトワン国立公園へのエントランスである「ソウラハ」という街。旅行者の多くはここをベースにゾウやカヌー、ジープを使ったサファリを楽しみます。

しかし、あくまで旅の目的はツアーでの訪問先の視察/新規開拓です。日中はレンタサイクルを借り(車もあるけどケチった)、お尻の痛みと格闘しながら何軒ものホテルやレストランを回ることにしたのでした。

カトマンズより気温の高いチトワンのこと。ほうほうの体で宿に辿り着き、ベッドに倒れ込む間もなく脳裏に浮かんだのが「ビール」という単語であったのは必然だと言えるでしょう。

もちろん拠点としているホテルでもアルコールにはありつけるのですが、せっかくならばとホテル周辺で面白そうな店を探します。すると目に飛び込んできたのがこの看板。

「ウナギ、カニ、あと何!?」

ウナギは雨季にしか捕れないんだよね、とのことで諦め、あらためて私がオーダーしたのはゴンギという一品。ガギガギした男らしいネーミング、いかにも精がつきそうではないですか。

待つこと数分。心配顔のおじさんが運んできたのは、淡水貝のタニシにスパイスを加えて水煮にした郷土料理でした。タニシは日本でもネパールでも一般的な食材ではありませんが、まぁ、サザエの親戚だと思えばコンプラ感(?)的に問題はないでしょう。

実際のところ、激ウマ。可食部こそ小さいものの、ビールのお供に最高。内臓のコクと身のコリコリ感はサザエ顔負けといったところで、楊枝でフタを外したところに口をつけ「フンッ!」と一気にすすると、殻の内部に隠れた部分まで無駄なくいただけます。

テーブルの上に貝塚が形成された頃、笑顔が戻ったおじさんに目配せをしてから、おもむろに深皿を持ち上げスープを飲み干しにかかります。そもそも、海がないネパールにおいて貝出汁はとっても貴重。駐在中に味わうのは無理だろうと諦めていた、コハク酸の旨味を全力で受け止めたのでした。

インド国境に接するこのあたり一帯は「タライ平原」と呼ばれる低地であり、ジャングルの中で生活をしてきた人々が独特の文化を育んでいます。せっかくチトワンを訪れたなら、こうしたローカルレストランでディープな体験をしてみてはいかがでしょうか?

ただし、食べる食べないはあくまで自己責任。お腹の具合にはくれぐれも気をつけてくださいね!

シェアする

コメントを残す

※メールアドレスが公開されることはありません。