プレピレネー(ピレネー山脈南に位置する山岳地帯)にあるアルケサル。イスラム教文化とキリスト教文化が融合した美しい山村で瓦やレンガ造りの建物などかつてイスラム教徒から持ち込まれた技術が目立ち、他のピレネーの山村とは異なる特徴があります。そのため赤茶けた山村の色合いは独特の雰囲気を感じます。
いにしえの空気感が漂う迷路のような旧市街地
旧市街地にはまるで迷路のような通りが広がっている
人通りも少なく静かな朝の旧市街
アルケサルはその昔、9世紀にイスラム教徒が建てた要塞が始まりで、その後11世紀に国土奪還を果たしたキリスト教徒により統治が始まると今度はロマネスク様式の教会と街が作られました。歴史・芸術地区にも指定されているここ旧市街地はまるで迷路のような空間でここを散策するだけで中世の時代にタイムスリップしたような感覚になります。
アルケサルの夜と朝
夜の雰囲気も味わい深い旧市街地の通り
朝焼けが美しい早朝のアルケサルの街並み
いにしえの時代の空気感が漂うアルケサルの旧市街地は時間帯によっても様々な顔を出します。特に雰囲気が出るのが夜と朝。黄昏時のマジックアワーには街の外灯が徐々に灯り、夜を迎えるころには街の中にオレンジ色の光が浮かび上がります。
朝はピンク色やオレンジ色といった朝日に染まった空に赤茶色の街並みが映えます。日中以外のアルケサルの街歩きも魅力的です。
かつてのイスラムの砦サンタ・マリア・ラ・マジョール教会
教会内部には見事な宗教画も残されている
建物回廊の2階からはベーロ渓谷や周辺の景色が見渡せる
アルケサル旧市街地の高台にひときわ目立つのがサンタ・マリア・ラ・マジョール教会です。ここはかつてのイスラム教徒の砦だったもので、キリスト教徒が国土を奪還した後はその土台の上にロマネスク様式の教会が建てられ現在に至ります。教会内部の回廊には旧約~新約聖書をモチーフにした柱頭彫刻や15~18世紀の宗教壁画が残されていて、回廊の2階からはアルケサルの街並み、ベーロ渓谷、その周辺の景色まで見渡せます。