●添乗ツアー名: ボールを持ってカンボジアへ! 8/19(水)・9/9(水)発
カンボジア サッカー交流とアンコールワット5日間 ─ 遺跡と農村の暮らしを知る ─
2015年8月19日(水)~8月23日(日)
写真・文●竹嶋 友(風カルチャークラブ)
アンコールワット中学校の生徒や孤児院の子どもたちとのサッカー交流や、アンコール遺跡観光、さらには農村の暮らしも体験してきました!
2日目(カンボジア到着日の翌朝)
お揃いの特製ユニフォームでいざ出発!
今回のご参加2名様は、爽やかサッカー親子(お父さん+息子さん)でした。小学生の男の子は地元のサッカークラブチームに入っているサッカー少年、お父さんはご自身の学生時代にサッカーをやられていて、現在も息子さんのクラブチームでコーチを務めていらっしゃるそうです。
2日目の朝は、前日の夕食時にお渡しした特製オリジナルユニフォーム(現地で制作)を、ガイドのパナー君も含め全員で着て出発です。朝からみんなユニフォーム姿ですのでなんだか学生時代の合宿のようです(笑)。
1発目のサッカー交流は、孤児院の子どもたちと!
ホテルで車に乗り込み、今回の旅1発目のサッカー交流場所である、シェムリアップ市内の孤児院へ。私自身、5年以上前に初めてカンボジアの地を踏んだ際に訪問した思い出深い施設で、久しぶりの訪問に胸が高鳴ります。
孤児院に到着すると代表のヒロコさんが出迎えてくれました。その後、ヒロコさんから孤児院の創設から今に至るまでの歴史をお話し下さったり、敷地内を歩きながら施設の説明を丁寧にして下さいました。
ヒロコさん曰く「バナナだけは困らない」そうです。
1試合目、キックオフ!
孤児院には立派な芝生のグラウンドがあります。私が5年前に来たときにはちょうどこのグラウンドをつくっている最中で、孤児院の子どもたちと日本の学生さんたちと一緒に、芝生の苗を植えたのを思い出しました。そんなグラウンドで今度はサッカー交流ができるのですから、感慨深い思いでした。
我々がウォーミングアップがてらボールを蹴り始めると、白黒縦縞のお揃いのユニフォームを着た男の子たちが自然に集まってきて輪の中へ仲間に入り、国籍関係なくみんなでボールをまわし始めます。このあたりは、サッカー経験者であればお分かりかと思いますが、暗黙の了解というやつですね。言葉は要りません。
そろそろ試合を始めよう! という雰囲気になったので全員グラウンドの真ん中に集合し、ここで初めてお互いに自己紹介。男の子たちは孤児院で日本語の勉強もしているので、しっかりした日本語で挨拶してくれます。その後、いよいよ試合開始!
1時間半ほどサッカーを楽しんだ後お互いの健闘を讃え合い、みんなでコーラを手に乾杯! 楽しい時間はあっという間に過ぎ、ここで男の子たちは授業があるのでお別れです。孤児院の皆さんにお礼を伝え、再訪を願いながらこの場所を後にしました。
いざ、アンコールワットへ
一度ホテルで汗を流し、ユニフォームから着替えて、午後はアンコールワットを訪問します。その前に腹ごしらえのお昼ご飯。ココナッツジュースや伝統的なクメール料理を美味しくいただき、いざアンコールワットへGO!
アンコールワットは南北約1300m、東西約1500mの塀で囲まれており、五基の尖塔があるメインの中央神殿までは長い参道を歩いて行きます。中央神殿に近づくにつれてどんどんと期待が膨らんでくる構造です。
途中、第一回廊に描かれている見事な浮き彫り「ラーマーヤナ」の物語を見ていきます。午前中のサッカー交流時のチームメイトの顔のパナー君から、ここでは引き締まったガイドの顔のパナー君になっているのが印象的でした。
アンコールワット内は、雨季でいわゆるベストシーズンからは外れている時期でもあったためか、比較的空いていて、スムーズに各所の見どころを巡ることができました。
ホテルに戻り、近くのレストランで夕食へ。この時間にたまたまTV中継でサッカーの「カンボジア代表VSブータン代表」戦がレストランの大型TVで放送されていて、レストラン周りで客待ちをしているトゥクトゥクのドライバーさんたちは、仕事そっちのけで大盛り上がり! 思わず、「ああ、ユニフォーム着てくれば良かったなぁ」と思ってしまいました。そう、FOOTRAVEL特製ユニフォームは、最新のカンボジア代表ユニフォームをベースに制作したのです! ユニフォーム着ていたら、さぞかしみんなで盛り上がれたろうなー。
3日目
アンコール中学校とサッカー交流!
3日目は、朝食後午前中からサッカーです。今日の交流相手は、地元アンコール中学校の男の子たち。「アンコール中学校」ってすごい名前ですよね! 日本でいうところの何だろう…例えば「東大寺中学校」とか「平等院中学校」とか日本には存在しないと思いますけど、そういう格式を感じて「おぉ…」とおののいてしまう感じがします。
ということで、さっそく今回2回目のサッカー交流開始! アンコール中学校の生徒さんたちが、普段一緒に試合をしているいくつかの仲間のチームも呼んでいていくれて、色々なユニフォーム入り乱れての交流試合です。その中に、「ん? 何かあの男の人見たことあるよなぁ…」という男性を発見。よくみてみたら、私たちが泊まっているホテルのフロントスタッフじゃないか! そういえばホテルにもサッカーチームがあると聞いていたのを思い出しました。
もう、色々な組織というか立場の人たちが、垣根を越えてこうして「サッカー」で1つになるって素敵だねー、と思っている私も仕事(添乗員)ですし、パナー君も仕事(ガイド)でしたね…。3時間くらいのサッカー交流の後、みんなで集合写真をパチリ。
試合後には、コーラをみんなで飲みながらお互いの健闘を湛えあい、しばし交流の時間。参加者メンバーの男の子は、ここでも地元のアンコール中学校のお兄ちゃんたちに人気で、サッカーの事や学校の事など色々な質問をしてくれました。
名残惜しいですが、「またサッカーやろうね!」という言葉に手を振って応えながら、お別れしました。
午後は、アンコールトム遺跡群へ!
試合後、シャワーとホテルのプールでクールダウンしてから、午後はアンコールトム遺跡群の観光にでかけました。目玉はなんといっても「バイヨン寺院」と「タ・プローム」です!
両脇には天地創造の神話「乳海攪拌」を表した、ナーガ(蛇神)を引き合う阿修羅と神々の像が迎えてくれる
アンコールトムの入口・南大門を通り、バイヨン寺院へ。バイヨンはアンコールトムの中心にあり、穏やかに微笑んでいる観世音菩薩をモチーフにした四面仏塔で知られる寺院で、多くの観光客が訪れます。
バイヨン寺院を後にして、車で「タ・プローム」へ。タ・プロームは大木の根っこが建造物を飲み込んでいるかのように侵食する遺跡で、天空の城ラピュタの世界のモデルにもなったといわれています。
アプサラ踊りの夕食へ…その前に寄り道
遺跡観光を終えた夕暮れ時、夕食場所に向かう前に、通称「コウモリ公園」に立ち寄りました。何やらガイドのパナー君が「もう少しこのまま待ちましょう」というので、公園にある森を眺めていました。すると日没とともに大量のコウモリがエサを求めて一斉に飛び立ち、アンコールワット方面に群れをなして行くではありませんか!! それはもう群れというか煙のように、空を遠く黒い筋となって続いていて、何だか異様な光景でさえありました。パナー君はしたり顔で「森の葉っぱに見えたのは、全部枝にぶら下がっていたコウモリですよ」と、我々にとどめを刺すのでした。はは…。
この日の夕食はクメール伝統舞踊「アプサラの踊り」を見せて頂きながら、これまた伝統的なクメール料理の夕食を楽しめるレストランでの食事です。以前このレストランを訪問した際は屋外でしたが、この日は雨が降りそうでしたので急遽室内となりました。
アプサラ踊りは9世紀頃に生まれた宮廷舞踊で、踊り手である女性アプサラは天女とみなされ、神への祈りとして捧げられてきました。ポルポト政権後に残った数人の踊り手が先生となり、その後その教えを受けた子どもたちが伝統舞踊の担い手となり、現代に受け継がれてきています。指先や足先まで気が配られた踊りの繊細さ優雅さはもちろんですが、その美しい衣装にも目を奪われます。
記念写真を撮る事ができたのですが、美しい女性たちに挟まれて、何だか緊張してしまいました
4日目
郊外の農村部へ!
翌朝、車でシェムリアップ郊外の農村を訪問しました。カンボジアの日常の暮らしは農村にあり! ということで、のどかな農村部で人々の暮らしに触れよう、という目的です。訪問した村の人口は約800人でそのうちの一軒サロンさんのご家庭におじゃましました。ココナッツジュースで歓迎をしていただいた後は、まずは牛車に乗ってモイモイ(クメール語で、ゆっくりという意味)なスピードで村巡りをすることになりました。
まずは、この村のお寺に訪問のご挨拶ということで、仏教寺院を訪問。地元の方に混じって祈りを捧げます。
お寺を出た後は、再び牛車に乗り込んで村の生活道を揺られて行きます。到着した場所は、あたり一面田んぼに囲まれた眺めの良いお宅。カンボジア農村部の家屋はこのような高床式家屋で、高床構造の理由としては、雨季の洪水対策、農耕用や食用家畜のためのスペース、暑さを凌ぐ(風通しの良い日陰になる)ため等、様々な理由があります。
左にいるお母さんは井戸で水を汲み出しています
お母さんとお父さんにご挨拶をした後、少し家の中を見せていただきました。風通しの良い床下スペースには、カンボジアでよく見かけるハンモックが柱に取り付けてあります。「もう、我慢できない…」ということで、メンバーお父さんがまるで楽園のような揺られ心地に包まれていました。その横で、メンバー息子さんが何かに気付いたようです…
引き付けられる様に男の子が向かった先には、何かを調理中のお母さんが。しかし! その手元には、何やら怪しいものが…。
おお、赤蟻と卵! 案の定、お母さんがニヤニしながら「食べるかい?」というしぐさで勧めてきた。う~んここで引き下がったら男がすたる。以前カンボジアでカエルやコオロギは経験済みだし、基本的に現地の方が食べているものであれば「大丈夫」と決めている私。しかし、この赤蟻は以前私がラオスでの象乗りの最中、この赤蟻が大群でいる枝に突入してしまい(だって、象さんが言うこと聞いてくれなくて…)大群が首周りを這ってチクチクと噛まれまくったライバルではないか! これはリベンジするチャンス、とばかりに口に放り込もうとすると、既にメンバー男の子はムシャムシャ食べているではないですか! 私も負けじと食べてみましたが、まず蟻はお腹の丸い部分に蟻酸があるので酸っぱい感じで、卵の方はほとんど味がないけどジンワリとコクがある感じでした。ガイドのパナー君曰く、「カンボジアではよく食べます」とのこと。皆さんもカンボジアを訪れた際に機会があればぜひお試しを!
蟻を食べさせてくれたお母さんにお礼を言って別れ、サロンさんの家までのんびり歩いて帰っていると、道沿いの家から男性の大きな声が聞こえました。振り返ってみると、ごきげんなおじさんが家の中から私たちを呼んでいるようです。近づいていってみるとおじさんがごきげんな理由は、手に持っているグラスの液体ですぐに分かりました(笑)。他の家族の歓迎もあり少しおじゃまして大人メンバーだけ味見をすることに。
カンボジアの地酒(米焼酎)スラソーは、透明でアルコール度数もそんなに高くはなく、とても飲みやすいです。しばらくの間、ご家族やごきげんなおじさんと共にお酒やおしゃべり、なぜか突然始まった腕相撲大会を、賑やかに楽しませてもらいました。旅では、こんな何気ない交流がとても嬉しいもの。おじさん、誘ってくれてありがとう!
サロンさんの家に帰ると、昼食を用意して待っていてくださいました。村で食べる家庭料理、最高の気分です! 優しい味のスープ、空芯菜や豚肉の炒め物などをおかずにご飯をいただきます。やっぱり家庭の味はどの国でも旨い!
予想外のサッカー交流
ご飯をいただいた後、ハンモックや椅子で思い思いに「ゆるゆる~」っと、まどろんでいると、隣の家からこちら側を “そ~っと” 覗き見ている子どもたちの姿が目に入りました(笑)。もう何だかその “そ~っと” がかわいくなってしまって、交流のための伝家の宝刀「サッカーボール」で気を引きます。さすがサッカーの力は偉大で、子どもたちがこちらに来てくれました。やっぱりユニフォームとシューズで来て良かった! メンバーの小学生の男の子が、さらに小さな子どもたちに優しくボールをパスする様子に、我々大人たちは思わず心が和みました。
メンバー男の子がサッカーをしている間、地元のお父さんたちがカンボジア伝統楽器を使った演奏をしてくれました。農村の雰囲気によくマッチする、ゆったりした心地よい旋律です。その後、メンバーお父さんは地元男性たちに誘われ、伝統楽器を使ったセッションを楽しまれていました。胡弓によく似たトロゥの演奏は地元の方でないと難しく、音を出すだけで精一杯ですので、単純に音が出せて楽しめる太鼓演奏で参加されていました。
渾身のセッション動画もご覧ください!
農村での暮らしの一部を、体験や交流を通して垣間見ることができて、とても楽しい時間になりました。サロンご家族の皆さん、村の皆さんありがとうございました!
そして帰国へ…
農村から車でシェムリアップ市内へと戻る道中、竹筒を並べた屋台がたくさん並んでいる場所があり、車を止めて見学しました。これは「クロラン」という日本のおこわのような食べ物で、もち米やココナッツミルク、小豆を入れた竹筒を炭火で蒸し焼きにしたカンボジアのおやつ。ご飯を食べたばかりでしたので残さず食べられるか心配でしたが、せっかくのチャンス。ほんのり甘い味でデザート代わりになり、結局みんなでペロリといただきました。
ホテルに戻り、夕食を食べに歩いてレストランへ。身支度を整えた後、空港へ。ガイドの(チームメイトの?)パナー君とお別れをし、帰国の途につきました。
旅を振り返って
今回のカンボジアツアーは、その前の週に実施したFOOTRAVEL「モンゴル編」と同様に、全員が一体感のある楽しい旅となりました。カンボジアツアーというと、アンコール遺跡を観光するだけの旅が一般的ですが、やはり現地の方とのたくさんの触れあいがある旅というのは、旅の印象や楽しさを何倍にもしてくれます。現地の方々と「同じ空間」・「同じ目的」を共有できるサッカー交流は、期待通り今回も言葉や国籍の垣根を越えてくれました。
今回一緒に旅をしたサッカー親子お2人にとって、アンコールワット遺跡の訪問は無論素晴らしい体験だったと思いますが、旅を終えた今も印象に残っているのはむしろ「交流をした現地の人たちの顔」ではないかと確信しています。
「サッカー」を通して世界の人々と交流を図る、FOOTRAVELの旅。
ぜひ皆さんもチームメイトになり、一緒に旅をしませんか?
「FOOTRAVEL」今後の設定ツアー
【FOOTRAVEL】ボールを持って砂漠の村へ!
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