目の前は般若山「法性寺」
秩父三十四箇所観音霊場巡りは四国八十八箇所霊場巡りとともに庶民の信仰を集めてきた巡礼道です。「秩父三十四箇所自転車巡礼」はこの巡礼道を自転車を使って、主に秩父の郊外を巡るコースと、秩父市内中心となるコース、それぞれを1泊2日の2回に分けて結願(完走)するツアーです。
今回(2010年秋)はのどかな郊外に点在する札所を巡る秋巡礼コースに同行してきました。講師はもちろん風カル自転車講座でおなじみの丹羽隆志さんです。
[開講日]2010年10月16日(土)〜10月17日(日)
[講 師]丹羽隆志
報告者●山田 基広
はじめに、巡礼というと一般的には神社や寺院を訪ね巡り、礼拝する宗教的な行為のことを指しますから “信心深くない私は参加できないのかなぁ。” なんて思いがちですが意外とそんなことはありません。とある札所のご住職が、
「昔は簡単に旅行なんて出来なかったから、本音は好奇心で旅に出たいところを、周囲への大義名分として、霊場巡りを掲げてから旅に出たという方もたくさんいたと聞くよ。ご朱印をもらうってのも、今で言うところのスタンプラリーとすこし似ているかもしれないね。・・・(後半に続く)」
とおっしゃっていたのを聴き、実は私は少し肩の荷が下りたのでした。きちんとした旅人のマナーがあれば、気持ちよく各お札所のご住職が迎え入れてくれますからご安心下さい。
さて、秩父巡礼ツアーのスタートは慈眼寺です。
ここで、ご朱印帳や白衣や手ぬぐいなど必要に応じて購入します。これらはどこのお寺でも買えるわけではないので、基本的にはここで購入しておくことをお勧めします。
今回は私もご朱印帳を購入し、テンションをあげたのですが、周りを見るとすでに白衣着用のみなさん。(むむむ。。。出遅れてしまった!)さぁ、気合が入ったところで札所めぐりがスタートします。
巡礼ガールのみなさん(注:一部をのぞきます)
ご朱印帳も様々
実は自転車よりも辛い?!
秋巡礼(郊外を走るコース)はアップダウンがあるため、サポートカーが同行しますので、ちょっと自信のない方でも参加可能ですが、自転車に乗りなれた方のほうが、余裕を持ってご参加いただけるかと思います。また、一日の走行距離は約40km程度なのですが、各札所へのアクセスには峠を越えたり、また札所によっては階段が多いところもあるので、多少の体力は必要となります。
秩父三十四箇所観音霊場をむすぶ郊外の道は非常にのんびりとしていて心地よいです。時に畑や田んぼの脇を通り、門前町の雰囲気の残る路地を、自転車で移動するのも楽しい時間です。
が、このツアーの魅力はやはり主目的である札所めぐりに尽きます。それぞれの寺院のなんと個性的で魅力的なことでしょう。古刹の風格ある本堂や手入れの施された境内にはもちろん、古道で結ばれた奥の院もひとつひとつに感嘆してしまいます。また参道にひっそり佇むお地蔵様にはユニークなものもあり、飽きることがありません。
お地蔵さんも様々
温かそうな帽子
ポリネシア系?
それぞれの札所の魅力を細かく語りたいところですが、今回は写真にてご勘弁を。実際に足を運んでいただければきっと虜になります。
26番札所円融寺奥の院「岩井堂」
32番札所「法性寺」のお堂
31番札所「観音院」
30番札所「法雲寺」
舞台造りの観音堂が見事な
32番札所「法性寺」
26番札所円融寺奥の院「岩井堂」古道
ちなみに札所を訪れた際のマナーはおおよそこんな感じです。(簡易式であることをご了承下さい)
山門に一礼して入ります
手を清めます
本堂へ参ります
納経所でご記帳いただきます
納経所にてご記帳いただくときのなんともいえないわくわく感や、時にご住職が自ら記帳してくださることもあり、その時のちょっとした交流が旅の刺激になります。
ただの寺院めぐりにはない、こんな交流があることが巡礼の旅の大きな魅力かと思います。
そして、気がつけばほんとうに心から本堂におまいりしている私がいました。
最後に先ほどのご住職の話の続きを・・・
「(前半のつづき)・・・でもね、巡礼をしているうちに、自然と信心深くなるというか、ありがたいと思う気持ちが出てくるものなのですよ。ありがたいものに触れるというのはそれだけで心を清めてくれるものですから」
なるほど。私はまさにそうでした。心が洗われた感じです。実に奥が深いです。
次回が楽しみです。
春は結願を目指します
春巡礼からの参加ももちろん可能です。
2011年秋巡礼も企画予定ですから、ぜひ、春→秋とご参加いただければ幸いです。
【お知らせ】春巡礼の日程は、2011年3月26日(土)〜27日(日)を予定しております。春巡礼は1日あたりの走行距離は20km前後です。詳しくは、お問い合わせ下さい。