2月に続いて再びネパールにやって来た。カトマンズは、日中は半袖で過ごせるくらい暖かい。今回の訪ネの目的は、先の1月から弊社に新しくネパールを担当するスタッフが加わったので、彼を NEPAL KAZE TRAVEL(NKT)のスタッフに紹介し、NKT と風の旅行社の歴史や基本コンセプトを確認することである。
ツアー作りは極めて具体的な作業だが、その前に両社間およびスタッフ間の相互信頼を確立する基盤を作らなくてはならない。弊社は、そのことに時間とお金をかけて大切にしてきた。文字に起こした契約で事足りるような世界ではない。
今回弊社に加わった彼は、大阪支店に所属しているので関空から TG(タイ航空)で、私は羽田から CX(キャセイ航空)を利用してカトマンズにやって来た。両便とも、カトマンズ到着が現地時間の22時を過ぎる。日本時間では夜中の1時を回ってしまう。ホテルに到着するのは現地時間の11時半くらいだから眠いが、睡眠は十分とれる。
NKT とのミーティングで、トレッキングルートの状況を再確認した。承知はしていたが、年々、奥地まで道の整備が進んでいるそのスピードと規模の大きさに改めて驚愕した。例えば、ムスタンやヒンズー教の聖地ムクティナートへ行くには、ジョムソンへポカラから空路を取るのが普通だが、今は、ジョムソン街道の整備が進み、四輪駆動でなくても行けるようになっている。近いうちに舗装されチベットまで繋がるという。ポカラとジョムソン間のフライトは、ヒマラヤを堪能できる素晴らしいマウンテンフライトだが、天候に左右され飛ばないことも多いので、その場合に陸路が使えると日程が安定する。
カトマンズとポカラ間もあと1年ほどで、片道4時間程度で陸路が使えるようになる。エベレスト街道・クンブ方面への道も整備が進んでいる。ルクラ近くの村出身のトレッキングガイドと話をしたら、「以前は、私の村からカトマンズまでは2日歩いて1日バスでかかりましたが、今は1日で来られます」と嬉しそうに話してくれた。
現在、カトマンズの空港工事の関係で、エベレスト街道への玄関口・ルクラまでは、カトマンズから車で4時間ほどかかるラメチャップ空港からとなっている。カトマンズに着いた翌日ラメチャップに移動し、翌朝ルクラへ飛ぶ。カトマンズからルクラ線が使えたころより1日行程が長くっている。当面はこの状態が続くので、この工程を前提にしてエベレスト街道方面のツアーをしばらくは作ることになるだろう。全旅行日程が長い欧米人は、1日くらい何ら気にしないが、日本人にとってはこの1日が貴重である。しかし、エベレスト街道トレッキングの魅力は、その不便さを超えて余りある。
従来のトレッキングルートの幾つかは、車道の侵食によって消滅しつつある。しかし、その車道を利用してアプローチが容易になった分、今まで行けなかったルートを提案することが可能になっている。消滅を嘆くのではなく、私たちの考え方を転換する必要がある。度々申し上げるが、ネパールほど観光資源に恵まれた国はそう多くはない。自然への配慮を前提としつつ、今後も果敢に挑戦していきたい。