ハグワ来日

MONGOL KAZE TRAVEL(MKT)の代表ハグワがやってきた。先月、モンゴル大反省会の際にウランバートルで会ったばかりだが、スタッフ何人かでハグワを囲んで宴を開き、最近のモンゴル事情に話が及んだ。

近頃は、シュっとした細いモンゴル人の男が増えている。韓流映画がモンゴルでも人気があるのでその影響だそうだ。がっちりした男性の逞しい姿がモンゴル人の象徴であり憧れであったはずなのに時代は変わるものである。しかも、一か月2,000ドルもするダイエット教室に人気が集まっているというから驚きだ。なんと、その教室を経営しているのが、以前、うちでガイドをしていた女性だと聞いてたまげてしまった。モンゴル人の女性は、実に逞しい。

ウランバートルのモンゴル人は、朝食によく、フランスパンにバターを塗ってその上に目玉焼きやハム、ベーコンなどをのせて食べる。そして、毎日のように肉がたっぷり入ったうどんを食べる。もちろんボーズも好きだ。肉の割合は高くその量はかなり多いが、実は炭水化物もかなり摂る。ジャガイモも好きで、ステーキには必ずといっていいほど、マッシュポテトがたっぷりとつく。最近は日本同様、糖質ダイエットがはやり、肉はたっぷり食べるが炭水化物を食べない人が増えているそうだ。

以前にも、乗馬ができないモンゴル人が増えていると書いたことがあるが、国の人口約300万人の内、半数の約150万人以上がウランバートルに住んでいる。この大都会で3世代以上重ねると、もはや遊牧生活を全く知らない。2世代目までは、祖父母が田舎に住んでいたので、夏休みには、遊牧生活の体験が自然とできていたのに、3世代目になるとそれもなくなってしまう。

遊牧文化をモンゴル人のアイデンティティーとして受け継ぐには、意図的に学習しなくてはならない。学校では、夏休みに“遊牧体験・草原乗馬教室”を行ったらどうかなどと話は盛り上がった。「まさか、風のスタッフが講師だったりしないだろうな!?」と冗談もとんだ。

日本こそ、近代化の中で伝統文化を否定し新しいものに価値を求めた国だと私は思う。だから、モンゴル人を批判する資格はないのだが、日本人が、外国人から日本文化の良さを指摘され、初めて伝統文化の大切さを自覚するように、モンゴル人より日本人の方が遊牧文化の魅力を理解できるかもしれない。

しかし、日本人が遊牧文化をいくら理解しても、自身のアイデンティティーにはならない。やはり、モンゴル人自身が遊牧文化の大切さを自覚するべきだろう。モンゴルもそろそろ経済発展一辺倒から自国の文化や生活スタイルを見つめなおす時期に来ているのかもしれない。

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