ヒマラヤを堪能中

昨日に引き続き、朝4時30分に起床。国内線ターミナルから6時15分に飛ぶマウンテンフライトに挑戦した。挑戦というとなんだか大袈裟だが、昨日も同じように早朝に起きてトライし、ゲート前で待つこと30分。曇天のためフライトはキャンセルとなった。今日こそは、とツアー参加者のみなさんと意気込んだ。

マウンテンフライトとは、カトマンズのトリブバン空港からサガルマータ(エベレスト)を見に行く遊覧飛行のことだ。もちろん、サガルマータだけではなく、ランタンリルン以東のヒマラヤを望むことができる。他に見られる主な山を挙げると、シシャパンマ、ドルジェラクパ、ガウリシャンカール、チョーオユー、ヌプツェ、ローツェ、マカルーなどだ。サガルマータまで行って引き返す。往復約60分。だが天候次第。雲がかかってヒマラヤが見えなければ飛ばない。

とにかく、マウンテンフライトは何の説明もないまま2時間近く待たされ、挙句の果てにキャンセルということがしばしばある。だから何時も待つことをある程度覚悟して臨む。キャンセルは天候に左右されるから仕方ないが、なんの説明もなく長時間待たされるのは勘弁してもらいたい。今回は、そういう意味ではラッキーであった。

今回のツアーは、マウンテンフライトに3回挑めるように日程を組んだ。できることなら1回目、少なくとも2回目に飛んで欲しい。3回も朝の4時半に起きるのは避けたい。期待は叶い、しかもほぼオンタイム。トリブバン空港は一面曇りだったから、あまり見えないかもしれないと半分諦め気味だったが、雲が低くて離陸後すぐに雲海の上に出たから、白い雲をバックに碧みを帯びた灰色の山肌に白い雪を頂いたヒマラヤを一望することができた。もちろんサガルマータもバッチリ見えた。コロナで溜まったモヤモヤが吹き飛んだようだ。

今回は、「つきのいえで」2泊、「はなのいえ」でも2泊する。全行程9日間といつもより長い。しかし、このゆったり感がとてもいい。参加者の皆さんからも、このゆったりしたスケジュールがいい、とお褒めをいだいた。ツアー代金をなるべく抑え参加し易くするために、つき、はな、1泊ずつというコースが主だが、やっぱり忙しないツアーになってしまう。ツアーは時間設計。効率を追い求め詰め込みがちになってはいなかったかと反省した。

また、このツアーは、NEPAL KAZE TRAVEL(NKT) 設立30周年記念ツアーということで、観光も少し工夫してみた。NKTのベテランスタッフ・スレシュは、パタンのゴールデンテンプルを守るコミュニティ、いわば檀家で、昨年、2人の息子をバパツァ(寺院を守る僧)としてゴールデンテンプルに1か月間入れた。そのバパツァを支えるため、家族もゴールデンテンプルに寝泊まりしなければならず、早朝3時に起きてはプジャ(祈りの儀式)などの務めを果たした。バパツァは肉食を断ち石鹸も使えず着替えも許されない。

丁度、今回、訪れた日も2人のバパツァが仏様を安置したお堂内に入り般若心経の経典を納めるところだった。下の子は、5歳くらい。よく1か月もそんなことができるものだとただただ驚愕してしまう。スレシュ曰く、始めの1週間は辛いが、最後に愉しくなってきて止めたくなくなるという。そういうものだろうか。繰り返しはつまらないとおっしゃる方もいるが、繰り返しは、一種の快感に繋がる。檀家の間で約50年に1度順番が回って来て、途切れることなく1,200年以上続いているそうだ。これまた驚きである。

そこで、ゴールデンテンプルのボジャチャーリ(お坊さん)に話を聴かせてもらうようスレシュに頼んだ。45分ほどのお話だったが大変興味深かった。ここの檀家は7~9歳で1週間お寺に入り、上座部仏教を学び、後々は大乗仏教を、最期に密教を学ぶのだそうだ。日本では檀家が修行をするという話は聞かないが、どうなのだろうか。また、上座部仏教と大乗仏教を対立的に考えがちだが、ネパールでは融合している。日本でも、天台宗や真言宗はそうだったように思うが、情けないことに勉強不足で分からない。

ツアーは、今日で6日目だ。はなのいえでもう1泊してカトマンズに戻る。最後にヒマラヤを再度、堪能したい。

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