今日は、やめられない止まらない!、チベットのチャンガーモ(甜茶)の魅力をお話ししたいと思います。
「チベットの飲み物」といって「バター茶」がまず思い浮んだ貴方、なかなかいい線いってますね。でも、もう一つチベットの飲み物で忘れてならないのが、チャンガーモ(チベット語で「甘いお茶」、チャガモともいう)。
バター茶が家庭でよく飲まれているのに対して、チャンガーモは主に茶館(チベット語でジャカン)というお茶屋さんで飲まれています。味は、インドやネパールのいわゆる「チャイ」に似ていて、砂糖たっぷりの甘いミルクティーに、店によってはおそらく若干香辛料が入っています。日本人にとってはバター茶よりもずっと飲みやすく、親しみやすい味で、結構癖になって茶館に通う人も多いようです。
飲み方は、まずはお店に入る。混みあった店内でどうにか座席を確保したら、おもむろにコップを人数分用意します。目の前にコップを並べたら、それぞれ適当な額の小銭を机の上に置きます。しばらくするとお姉さん(もしくはおばちゃん)が巨大なヤカンになみなみと入ったチャンガーモを持ってきて、コップに注ぎ、必要な分のお金を取って行きます。このとき、ちょろちょろとお茶がこぼれて机の上の小銭が濡れてしまいますが、そんなことは気にしません。お代は1杯1元(2023年12月現在)です。
※これはラサのバルコル近くにある有名なお茶屋さん「光明茶館」独特の作法で、別のお店では小さなポットで供される場合が多いです。
昼下がりの茶館には大勢のチベットの男たちが集まり、この甘いお茶をすすりながら四方山話に花を咲かせます。私がチベットに駐在していた当時(2004年)には、こちらのスタッフも仕事が一段楽した昼下がりなど皆で茶館に繰り出し、事務所が空っぽになることがしばしばありました。
しかし、この茶館の中、ほとんど全員がチベット人。そして写真からもおわかりの通り圧倒的に男(おっさん)が多い! 特に漢人の姿はほとんど見かけません。我々日本人が入っていくと、「む、中国人か? それとも日本人か?」と周りが興味津々の目で見つめてきます。しっかり日本人をアピールしましょう。茶館には食べ物は「トゥクパ」(チベット風うどん)位しかなく、食事より本当に「だべる」ためにある空間です。気を抜きまくっているチベット人の素顔が覗けるスポットなので、バックパッカーなどには密かに人気を集めています。
現地のスタッフに聞くと、それぞれお気に入りの茶館があるそうで、あそこはお茶はうまいが、トゥクパはそうでもない、とかトゥクパを食べるならあそこだ、とかコダワリがあるようです。高山病対策に散歩をして疲れた方や、暑くて外を出歩くのは嫌だけど、じっとしていて高山病になりたくないという方には特にお勧めの時間のすごし方です。しかし、通いすぎて太っても知りませんよ。なにせ砂糖たっぷりですから。