皆さん、サインバイノー?
干し肉は生肉を腐らせずに保存する、とくにモンゴル遊牧民の生活に必要なものです。今回はこの干し肉「ボルツ」を紹介します。
モンゴルの遊牧民は基本的に五種類の家畜を飼っています。
1.馬 (馬、牛,駱駝)をボド家畜
2.牛
3.駱駝
4.羊 (羊、山羊)をボグ家畜と言います。
5.山羊
牛、駱駝、山羊の肉が干し肉作るとき一番合います。羊肉も干し肉にできますが、暑い季節はあっという間に悪くなります。馬肉はすぐ悪くなりますので干し肉にはしません。(馬肉は寒い冬の時期だけたべます。)
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まずは外の気温が-10℃くらいに安定すると干し肉作りが始まります。
モンゴルでは12月始まるとき昼でも-10℃になります。こうなると、モンゴル全土が自然の冷蔵庫になります。
すると冬なる前によく太った家畜はいい肉になりますので冬食べる分だけ屠殺しておきます。生肉も冷凍庫のように気温が下がっているので悪くなりません。
その後、だんだん暖かくなって春なると、生肉はすぐに腐るので、それまでに干し肉作りを完了します。
また、春の家畜は食べても美味しくありません。なぜなら、春は家畜が一番やせている季節だからです。これも春が来る前に干し肉を作る大きな理由のひとつです。
12月に屠殺した肉の15%ぐらいは生肉で干し肉作ります。干し肉の作り方は地域によります。
1.ハンガイ地域
やわらかい生肉を横が2~4cm、長さ15~30cmに切ったあとに干して、人の入らない場所に吊るして、自然に干し肉にします。
2.砂漠地域
ほとんど駱駝肉でつくります。肉は横が8~10cm、長さが20~25cm、厚さが3~5cmくらいに切ります。
切った肉をゲルの上にひとつずつ並べて凍るまで待ちます。凍った肉を集めて綿100%の袋に入れて、口をよく縛り、春まで風のあたらないところにおいて作ります。
干し肉のいい点は生肉より嵩張らず、荷物が少なくなります。また、臭くならず、悪くもならないので現在ように電気や冷蔵庫なくてもこまらない、遊牧民の知恵です。
おわり